水槽内に発生する油膜(白い泡)の主な成分はタンパク質です。タンパク質は水に溶けないため浮遊物として見えてしまうのが油膜のカラクリです。この記事では油膜を除去するための方法や対策を油膜の発生原因に沿って紹介していきます。
水槽に油膜(白い泡)が出たらどうする?
水換えを行う
熱帯魚が死んでしまい、油膜が出ている場合は水換えを一気に行った方が良いかもしれません。水槽を立ち上げたばかりなど運用から日が浅い場合は大きな水換えを行わず、表面上を掬いとるだけにするのがベストです。
キッチンペーパーで取る
掬いとるのが上手くいかない場合はキッチンペーパーを上から被せてしまうのが手っ取り早いです。キッチンペーパーは丸めたりせず、ふわっと被せましょう。キッチンペーパーを取り除く時は真ん中をつまむようにし、一気に引き上げましょう。
油膜を食べる生体を入れる
▲油膜を食べ漁るブラックモーリー
グラミーやモーリー、メダカなどは油膜を食べる傾向にあります。特にモーリー系は大食漢で油膜を積極的に食べてくれるので油膜除去として有名です。
ただ、モーリー系は大食漢ゆえに大きくなりやすく、食害が起きたり、胎生魚のため知らず知らずに大繁殖してしまう事があるので、レイアウト維持や生体をストックできない環境であれば導入はおすすめしません。
エアーレーションを添加する
油膜の根本原因はタンパク質です。
水槽内で発生する主なタンパク質原因は
- バクテリアの死骸
- 生体の死骸
- 餌の残りカス
- 生体が病気になっている
- 水草の状態が著しく悪い
上記の場合がほとんど。
中でも一番の原因であるバクテリアの死滅を防止できるエアーレーションは水草水槽であっても必要な要素となります。何故、「酸素を生み出す水草がある水槽にもエアーレーションが必要なのか」については以下で説明していきます。
水草水槽にエアーレーションは必要
水草が酸素を出すのになぜ必要?
水草が光合成を起こすため、水槽内には酸素が供給される考えは間違っていません。ただし、それはLEDライトなどが点灯中の時だけであって、夜間のCO2濃度は上がってしまいます。熱帯魚やエビが死んでしまうほどにならないとしても、バクテリアが死んでしまうことが多々あります。
点灯時であっても水草から発生する酸素量が水槽内の必要酸素量を賄いきれない場合もあります。(二酸化炭素添加料や成長具合で左右される)
夜間の酸素量が少ない間に濾過バクテリアが死んでしまうと油膜が出やすくなったり、水槽内の濁りが取れなかったりと環境が整わなくなる弊害が生まれます。以上のことから水草水槽でも十分な酸素量を確保するためにエアーレーションが必要という事になります。
▲葉を閉じているロタラHra
休眠中の水草は酸素を吸収し、休養に入ります。休眠中は広げていた葉を閉じている。
エアー添加で改善を図ろう
エアーレーションを行ってすぐさま改善とは行きませんが、徐々に油膜が減っていくことは体感出来ると思います。それでも水槽内の濁りや油膜が多い場合は二酸化炭素添加量やフェルター、魚や水草の状態を疑った方が良いでしょう。
より効果的なエアーレーション方法
写真は濾材袋の中にエアーレーションをくっつけた形です。濾材とエアーレーションを合体させることで濾過バクテリアが吸着しやすくなり、水の透明度も格段に上がります。どうせエアーレーションをするならこのように濾材と組み合わせた方法もおすすめです。
まとめ:水槽にエアーは必須!
エアーレーションはセットで用意しよう
水草水槽を始めるとどうしても水草の成長を考えて、二酸化炭素に目が行きがちです。一方で綺麗な水質を保たないと水草は育ちません。
綺麗な水質を保ちつつ、綺麗な水草に成長させるには二酸化炭素と酸素をバランスよく添加することがポイントとなります。バランスよくと言うと難しい印象を持たれるかもしれませんが、シンプルに「LED点灯時は二酸化炭素」「LED消灯時はエアーレーション」という風に捉えれば難しくありません。
タイマー管理が必要になる
さすがに「LED点灯時は二酸化炭素」「LED消灯時はエアーレーション」を毎回手動で行うのは困難だと思いますので、電源のオンオフはタイマーで設定しちゃいましょう。
安価なタイマー通電機能のあるコンセントがアクアショップや家電量販店、ネットで売っています。水槽用品と合わせてこちらも購入しておきましょう。