


IAPLC2022(世界水草レイアウトコンテスト)で100位以内に入賞した作品「山頂を目指す」の作成過程や水槽に使った設備、ソイル、水草を紹介しています。また、レイアウトを作るときの水草の選び方や立ち上げ過程、流木や石の配置はもちろん、水草水槽レイアウトを完成に持っていくまでに注意したポイントを画像と動画を合わせて解説しています。
本作品では動画でも解説を聞くことができます!好きなシーンで好きなカタチでお楽しみください。
2022年に作成した水景はIAPLC(世界水草レイアウトコンテスト)で100位以内に入れるように意識して作成しています。作品の作成と管理はまさに自分との闘いで、最後の調整まで悩み尽くしました。結果的に自分の中でベストな作品を作れたことはよかったです。
120cm水槽のスペック | |
水槽スペック | 120×50×50cm |
ソイル | ADAアクアソイル-アマゾニア Ver.2 ADAラプラタサンド |
照明器具 (変更前) | アクロ TRIANGLE LED GROW Pro 1200 |
照明器具 (変更後) | ソーラーRGB×2 |
光量 | アクロ時:17,800lm ADA時:6,000〜7,000lm |
点灯時間 | 9時間 |
CO2 | 1秒に6~7滴 |
換水頻度 | 状態に合わせて 水道水のTDSは135 |
1週間に1度は必ず水替えを行うが、できるだけ水槽内をイジらないように心がけていました。コケは必ず発生するものですが、処理の方法はスクレイパーでガラス面の掃除、レイアウト素材は気が向いたらブラシ等で掃除する程度です。
奥行きと高さが50cmになる120cm水槽は水量が273リットルになります。ソイルや素材を入れると実質水量は大きく下回りますが、それでも濾過機能の保持と水流の確保をしないと環境を整えることがむずかしいです。外部フィルターは最大で345リットルまで対応するエーハイム2217と最大114リットルまで対応するエーハイム2213を使用しています。
油膜の処理と水槽内の水を回す役割として外部フィルター以外にエーハイムスキマー350も採用しています。スキマーの流通種類は少なく、割とどの種類も安価です。エーハイムスキマー350は中にあるシャーシが折れやすいことで有名ですが、価格が3000円程度とリーズナブルなことに加えて馬力があるので120cm水槽にはちょうど良いかもしれません。
チップ個数 | 白32赤2緑2青2で1モジュール ×4枚 計152個 |
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色温度 | 7,500K |
平均演色性 | Ra92 |
全光束 | 17800lm(4450lm×4モジュール) |
照射角度 | 120° |
発光効率 | 134lm/W |
LED個数 | 160個(RGB LED) |
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色温度 | 約9,000〜12,000K *1 |
全光束 | 3,000lm〜3,500lm |
発光効率 | LED個数:160個 / 130W 消費電力:90W ±10% |
立ち上げ時は通販大手charmでも販売されている人気水槽LEDライト「アクロ TRIANGLE LED GROW Pro 1200」を使用している。値段の割に光量が非常に高いのがメリットだが、高光量によりモス等の育成が困難になってしまったため、光量を落としたADA ソーラーRGBを2つに切り替えました。陰性水草を使う時は高光量は逆に仇となりますね。
ADAの組織培養【みずくさの森】から扱いやすい水草を選択しています。全部で14種の水草を使用しています。ADAの組織培養はショップによって値段が違うことに加えて、品種によっても値段の開きがかなりあります。120cm水槽ともなるとかなりの量の水草が必要になるため、数を揃えるだけでもそれなりの費用がかかります。
背丈の低い水草 | |
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ニューラージパールグラス | キューバパールグラス |
ショートヘアグラス | アヌビアスナナプチ |
グロッソスティグマ | クリプトコリネ・パルバ |
プレミアムモス | クリスマスモス |
ウィーピングモス | – |
背丈の出る水草 | |
インディアン・クラススラ | グローン・ロターラ |
ロターラsp.Hra | ロターラsp.ベトナム |
ロターラ・ナンセアン | – |
どうやって後景の部分の高さを出していくかを考えてレイアウトを組んでいます。とにかく盛土をしていて、ソイルが雪崩れないように石で堰き止めしたり、綿を使って隙間を埋めたりしています。
使用する石についても硬度を上げる龍王石を使ってしまうと水草が育つ環境を維持するのが大変なので、硬度に影響しない石を選んで使用しています。ちなみに作者の水道水のTDSは135とかなり高めなので初めからハードモードと言ってもよいかもしれません。
盛り土をしてベースとなるレイアウトの方向性が定まってきたら、さらに細かな流木を使ってレイアウトを作り込んでいきます。完成形の写真を見ると、大きく枝分かれした流木を使っているように見えますが、実際はもっと小さい流木を複数使用しています。
おおよそ仕上がったレイアウトに対して、本格的に水草を植えていく作業を進めていきます。植栽はなんとなく植えていくのではなく、撮影したレイアウトに色を塗って植栽イメージを何度も思い描くのがおすすめです。
あくまでイメージ程度の設計図なので、レイアウトを維持していく中で水草や流木配置などの変更が生まれる場合は、初期イメージに引っ張られすぎないように注意が必要かもしれません。
水草の植栽配置は、微妙な明暗を表現する為に色合いのバランスを意識しています。
モス系などはアクアリウム用の接着剤を使って接着させていきます。ニューラージパールグラスのような活着性が高く、隙間に埋め込みやすい水草は接着剤を使わなくても良い場合があります。
水草を植栽した後は注水して水を回していきます。追肥は液肥を毎日添加しています。水草から出る気泡の量を見て添加量を調整しています。固形肥料も水草の品種ごとに様子を見て追加することもありました。