拾ってきた石や木を水槽に入れる時の注意点と殺菌方法
水槽レイアウトに使用する流木や石ショップで買うと高いですよね。だから採ってきて入れちゃえ!と思う人も多いはず。ですが、流木や石を水槽に入れるのは生体や水草に影響があるのか気になるところですよね。本記事では拾ってきた流木や石を水槽に入れる時の注意点や前処理について解説していきます。
そもそも流木や石は拾っていいの?
私有地は国立公園などはNG
そもそも自然物の採取がアリかナシかで言うと厳密には許可が必要となります。自然の物は流木でも石でも砂でも、それらの物は海岸法や河川法、自然公園法によって管理されています。特に名所となっている場所は自然公園法という法律によって国や県に管理されています。
そうなると、どこでも拾ったりすることが出来ないことになりますが、それぞれの法令を見ていくと、販売目的で定期採取する行為や大量に採取する行為、環境保護を著しく損傷させる行為に該当すると処罰の対象となるようです。
河川法第26条
(土地の掘削等の許可)第二十七条 河川区域内の土地において土地の掘削、盛土若しくは切土その他土地の形状を変更する行為(前条第一項の許可に係る行為のためにするものを除く。)又は竹木の栽植若しくは伐採をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽易な行為については、この限りでない。
引用:法令検索:河川法
河川法第二十七条を見ると政令で定める軽易な行為については、この限りでないと記されています。この軽易な行為について調べると「許可が必要な行為」が出てきました。許可が必要な行為は土地を占有する、掘削などの形状変更をする場合が本記事で言うキーポイントになります。拾うは軽易な行為であり、岩を削ったり、木を折ったりすることは許可が必要と捉える事ができます。
以上、ポイントにしぼって説明しましたが、拾う程度であれば問題はないというのがどこのメディアの見解でもあり、実際に心配な場合は問い合わせをしてみるのが1番です。初めから私有地や国立公園など分かっている場合はNGと認識しておくのが良いでしょう。
参考:海・川・山の石拾いや土砂持ち帰りが違法になる3つの法律と事例
拾った石や流木を入れる時の注意点
話を戻しますが、実際に取ってきた石や流木を水槽に入れること自体は問題ありません。しかし、石や流木には有害物質や害虫、害虫の卵などが付いている可能性があります。
したがって拾ってきたものを当日、すぐに水槽に入れるのは危険なのでやめましょう。下処理が必要になるので以下を参考にしてください。
ブラシなどでよく洗う
拾ってきた石や流木は、食器洗いに使う粗めのスポンジや金たわしなどでガッツリ洗いましょう。くぼみには卵や苔などが付着している場合もあるので、歯ブラシなどでよく削ぎ落とすのがおすすめ。
煮沸する
拾ってきた流木は、そもそも沈まない場合があることに加えタンニンといったアクが出てくる可能性が高いので煮沸して沈みやすくする他、アク抜きを行うようにしましょう。家の中で行う場合は上記と共にタンニンが舞うので蓋をしっかりしましょう。壁にタンニンなどが着くと取れなくなる事があり大変です。
石は酸処理を行うと良い
そのままの使用も良いですが、酸処理を行い石の色味をより引き出すのも手段の1つ。ドラッグストアでも売られているサンポールをバケツに貯めた水に加え、石を投入するだけ。ほとんど反応を見せない石もあれば、龍王石のような石は反応が強く、白いラインがよりくっきり出ます。
サンポール漬けは丸1日行い、その後、匂いを取るために洗浄と真水漬けを4日程度行う必要があります。
酸処理では水質にほぼ変化なし
酸処理を行っても硬度が著しく抑えられるといったことはほとんどありません。逆に酸処理を行ったことで硬度が上昇しやすくなる場合もあるようです。石は飴玉と同じで削ったり溶かしたりしても根本は変わらないと思うのが良いのかもしれません。
水草その前にを使って殺菌
ここまで散々洗って煮てまだはやるのかと思うかも知れませんが、念には念ということで水草その前にを使用し、洗い終わったら水槽に入れるのが安心です。
まとめ
石や流木を自然採集したできればレイアウトコストを大きく抑えることもできますし、より自分の作品に愛着を持てるかもしれませんね。しかし、大型水槽レベルになると必要になる素材数も多くなります。何十キロも集めていたら法に触れる可能性は高いので加減を守りましょう。
よくある質問
- 流木や石は拾っていいの?
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そもそも自然物の採取がアリかナシかで言うと厳密には許可が必要となります。自然の物は流木でも石でも砂でも、それらの物は海岸法や河川法、自然公園法によって管理されています。特に名所となっている場所は自然公園法という法律によって国や県に管理されています。
そうなると、どこでも拾ったりすることが出来ないことになりますが、それぞれの法令を見ていくと、販売目的で定期採取する行為や大量に採取する行為、環境保護を著しく損傷させる行為に該当すると処罰の対象となるようです。
- 入れてはいけない石などはある?
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基本的に洗浄や煮沸、「水草その前に」などを使用し徹底して殺菌を行えば使用しても問題ない場合が多いですが、中には硬度が上がりすぎたりする素材もあります。また、貝殻やサンゴ石などを加えるとPHが大きく上がり水草や生体に影響を与える場合があります。