転覆病は主に金魚がなりやすいことで有名でなってしまった魚は常に浮いてしまったり、沈んだまま動けないなどに症状になります。転覆病は菌や寄生虫などで生じるものでないため、改善出来ない場合もあるのも事実です。この記事ではお魚が転覆病になった時の改善方法などを紹介しています。
転覆病とは?
転覆病は浮力を調節する浮き袋が上手く機能せずバランスを崩してしまう病気になります。浮き袋の調整は空気ではなくガスなので、消化不調が原因でガスの調整ができないことで発症するケースが多い病気です。(それ以外も勿論あり)
特に大食漢かつ無加温飼育されることが多い金魚は発症しやすく注目される事が多いです。(冬場になると警笛を鳴らすショップもある)ただ、金魚だけでなく浮き袋を持った魚なら発症する可能性を持っています。
転覆病の症状
- くねらすように泳ぐことが多くなる
- 身体を地面に沈めていることが多くなる
- 水面呼吸の頻度が上がる
- ふわーっと上がっていく
文面だけで見ると初期症状はただ遊んでるだけと思わせるような行動ですが、実際いつも泳いでいるのに最近は様子がおかしい。大人しくなったな。暴れるように泳ぐな。など異変には気づけるレベルでおかしいので見分けはつくかもしれません。
- 沈んだまま泳がない
- ひっくり返って浮いている
- 身体が横たわったまま浮いている
- 下まで潜れない
完全な症状は見ていて可哀想になる様子です。浮いたままの魚状態。対処療法をするか、そのまま天命を全うするか決めなければなりません。
転覆病は死ぬ?
転覆病は自分で思うように動けないため、ストレスで寿命が縮むことはあると思います。しかし、転覆病になったからと言ってすぐさま死ぬ病気でもありません。(3cm以下の小型魚は割と早い段階で死に至りやすい。)
転覆病はうつる?
転覆病は細菌や寄生虫でなるのではなく、温度や水質、餌のタイミング、餌の質、生まれ持った性質など様々な要因で引き起こされます。したがってうつることはないと言えます。しかし、同じ環境下で複数発生してしまった場合は、環境自体を見直す必要があるでしょう。
転覆病の原因は?
先天性による発症
浮力を調節する浮き袋が元から異常がある(形がおかしいなど)場合は転覆病になりやすいと言われ、先天性転覆病と呼ばれることがあります。後天性と何が違うの?と言われれば明確な基準はないですが、頻繁になりやすい子は先天性による障害を持っていると判断しても良いかもしれません。
一番は消化不良や便秘
▲ベタの糞はこんな感じ
体内に消化できない餌や排出できない糞が溜まり続けるとガスがたまり転覆病を発症しやすくなります。水槽内にうんちが落ちているか、お腹が膨らみすぎていないかなども日々の観察で重要になります。以下に挙げていく原因は消化浮力や便秘を引き起こすトリガーとなるものですので参考にご覧下さい。
低温で引き起こされやすい
転覆病は25度以下の低温で起きやすいと言われることが多いです。水温のコントロールができない無加温飼育は特に注意が必要です。また、気温の高低差が高い地域ではヒーターをしていても基準よりも下回る時間があるとトリガーになる場合もあります。
消灯のタイミングでなる場合も
照明の消灯にびっくりして〜ということではなく、餌の消化時間が影響する場合があります。魚の消化時間は2時間以上かかる場合もあると言われていますので、消灯の2時間前には夕食を済ませて置くのが理想です。(魚消化時間は種類によって諸説あります。)
古い餌(人工飼料)を与え続ける
消費期限の切れた餌や開封後から1年も経過しているような餌を与え続けると消化不良や体内ガスを発生させてしまう可能性が上がります。中には古い餌を食べ続けても大丈夫な個体もいますが、開けてから時間の経ったものはできるだけ控えましょう。餌の管理の仕方も気を配っておくと良いかもしれませんね。
転覆病の治し方・効果的
水温を上げて絶食する
水温を25度以上に設定し、餌を与えずに数日間様子を見ましょう。最初から塩浴を行うのも良いですが、水草水槽では水草が傷んでしまうため、隔離水槽が必要になります。一旦は水温を上げて全体の絶食期間を設けて様子を見守るのが良いでしょう。1週間絶食しても死にはしません。
光量を確保する
暗すぎる水槽は魚の活動が鈍くなり代謝が落ちてしまいます。もし、水槽にライトを付けていないならつけた方が良いでしょう。また、朝と夜で時間を決めてオンオフをしっかり行い、生活サイクルを整えてあげるのも大切です。
25度以上にし塩浴をして絶食する
最初の対処法とほぼ変わりませんが、塩浴が加わったやり方です。隔離水槽だとLEDをつけないなどの備品コスト問題に当たりますが、できれば治療水槽にもLEDライトをつけてあげてください。濾過ポンプはロカボーイでも十分です。塩の入れる量は1Lにつき小さじ1杯(5g)を目安に入れましょう。
塩浴は何で効果があるの?
前提として認知して欲しいのですが、水は塩分濃度の高い方へと移動していきます。淡水魚の血液や体液にも塩分が含まれているので、お魚自身で常に水分塩分の濃度が調整できるようにしなくては身体中の水分濃度が高くなって死んでしまいます。
塩浴は外部の塩分濃度を上げることでお魚自身の濃度調整負荷を落とすことが出来るので、その分回復力を上げることができ、転覆病などの疾患に効果が期待出来るということなのです。

転覆病の治し方・期待薄
メチレンブルーなどの薬漬け
転覆病は自己の臓器障害のため、薬でどうにかするのは期待薄といったところ。治った事例ももしかしたらあるのかもしれませんが、絶食や水温が要因の可能性もあるので一概に良いとは言えません。薬浴によってかえって弱るケースもあります。

そもそもメチレンブルーは白点病、尾ぐされ病、水カビ病にって書いてあるんだけどね。
唐辛子(鷹の爪)を入れる
唐辛子を入れると代謝が上がり治るかも?という話を見かけますが、治った事例を見たことがありません。白点病や尾腐れ病といった細菌や寄生虫の対策としてなら効果は期待できます。筆者は実際に試しましたが効果は得られませんでした。
転覆病の治し方まとめ
手っ取り早く知りたい人はここ読め
前提として転覆病は金魚以外でもなります。また、治療法は絶食や塩浴くらいしか方法論としてありません。転覆病にならないために、日々の食事から消灯までの時間制御や餌の消費期限もチェックすることが大切になります。
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