APTFIXコケ取り剤は安全?除去効果と使用感レビュー
APTFIXは黒ひげ苔やサンゴ苔、糸状苔など苔のほとんどに効果があると謳われたリキッド系の除去剤です。成分は24時間以内に自然分解され生体や水草にやさしいとされています。しかし、実際はどうなのか気になるところ。今回本記事では実際に使用して水草に影響はないのか?エビなどの水質に敏感な生体にどう影響するのか?コケは除去できるのかを実際の使用感も踏まえて紹介していきます。
APTFIXの実際の効果
検証水槽のサイズ
1週間の添加と1週間の様子見(添加しない期間)でどのように変化していくのかを検証していきます。水槽のサイズは60cm×30cm×36cmの規格で、水量は約58リットルになります。
サンゴ苔もしかり、糸状コケも非常に多い水槽ですので効果があれば非常に有用な商品ということになります。この水槽では過去にオキシドールによるコケ除去を試みましたが、ショートヘアーグラスやロタラワリッキーといった葉の細い水草が真っ白になってしまうことを受け、断念していました。
かなりの量のコケです。ここまで放置していると別の水草の品種なのではと思うほど。効果が実際にあれば革命的といえますが…。
APTFIX添加量について
APIFIXは1日10リットルに対して1mlと決められているのでそちらに従い添加することに。本水槽ではバケツ4杯弱の水が取れるため、1日に4mlの添加を行っていきます。
APIFIXの容器も1プッシュあたり1mlが出ますが、気になるコケには直接の吹きかけが有効とのことなので、100円ショップで売られているシリンジを使って4ml分の添加を行います。
ショートヘアーグラスなど葉の細かい水草は白化
「水草に安全」というのはどこへいったのやら、添加を続けていくと最初に被害が出てきたのはショートヘアーグラスやロタラワリッキー。葉の細かい水草たちが白化してしまいました。
コケだけが白化したのかと思ってしまいますが、どう見てもこれは違います。幸い根はダメージが無さそうなのでトリミングで回復ができそうですが、これは景観壊しなので草原レイアウトなどではリセットに近いことを要求されるでしょう。
クリプトコリネさえ溶ける!
クリプトコリネは割と丈夫な葉なため、心配はしていませんでしたが、よくよく見ると吹きかけた付近の葉は完全に溶け始めています。幸い直接吹きかけていないクリプトコリネは問題ないようですが、全く水草に安全でないことが明確になった瞬間とも捉えられます。ちなみにルドヴィジアスーパーレッドも吹きかけた所は溶けてしまいました。
肝心なサンゴ苔も除去できない
オキシドールでもダメージを受けてしまった水草を避けながらサンゴ苔に直接アプローチをかけるも、効果はサンゴ苔が白化するだけ。エビやサイアミーズも白化したからといって率先して食べようとしてくれませんでした。本質的には固いので食べたいと思わないのかもしれません。
生体にもダメージあり?
添加から1週間が経過したタイミングで2年ほど生きていたバジスバジスが突然死。さらに、10匹飼育していたヤマトヌマエビも8匹にまで減少していました。水槽の環境も大きく変えず生きてきたバジスバジスとヤマトヌマエビの死を察するにAPIFIXはちょっと使うのをやめた方がよいと判断。(直接の死因と100%の言及はできませんが、参考にしてください。)
APTFIXの検証まとめ
失ったものが多い
ショートヘアーグラス(一部) |
ロタラワリッキー(一部) |
ルドヴィジアスーパーレッド(一部) |
ニムファルブラ(全損) |
クリプトコリネ(一部) |
バジスバジス(1匹) |
ヤマトヌマエビ(2匹) |
上記がAPTFIXの使用で失ったものたち。コケの除去はできていません。やはり安全な苔の除去はろ過機能の見直し、水替え、適度なトリミングに限りますね。当サイトではAPTFIXはおすすめできないと言わざるとえません。今後購入検討をされている方は上記を御認識の上検討いただければ幸いです。
ダメな品種が幅広すぎる・・
APTFIXは公式サイトでモスやリシア、バリスネリア、ボルビティスへの直接の使用を避けるよう記載されています。といっても何が基準で記されているのか、検証した品種がそれだけだったのか。もう少しデータを開示し、明確にしてほしいところ。当サイトの情報も合わせるとかなりの量の水草に不適合なので使い用途は限られそうです。
そもそもAPTって何?
APTはTHE2HRAQUARISTの販売する商品です。300ml3000円とちょっと強気の値段で販売されています。楽天、Amazonなど日本でのメジャー取り扱いはないようです。 THE2HRAQUARISTはシンガポールに拠点を置くアクアメーカーです。