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最近では自由研究向けにアルテミアの飼育観察セットが販売されています。セットで完結し、値段も手頃な事から購入を検討している方も多いかもしれません。結論から言うとアルテミア育成は簡単ですぐに結果を出せるので自由研究に向いています。
また、アルテミアは小さなクラゲのように白く可愛らしい姿も魅力なので観賞用としてもおすすめ。本記事ではアルテミアの孵化の仕方から育て方まで紹介しているので参考にご覧ください。
アルテミアはアクアリウム(観賞魚)界隈では稚魚の餌などに用いられることが多く、ブラインシュリンプの名前で有名です。逆にブラインシュリンプに慣れている人からするとアルテミア?となるかもしれません。
「ブライン」は塩水を意味し、直訳で塩水エビになります。名前の通り、淡水での飼育ではなく塩水での孵化・飼育することになります。
アルテミアの寿命は餌を与え続ければ3ヶ月ほど生きることができます。アルテミアの餌は砂糖の入っていない「きなこ」や「すりつぶした魚の餌」を与えましょう。
餌なしの場合は自身の栄養を消費していくため、3日前後で死んでしまいます。また、餌用として淡水に放出した際は1時間前後で死んでしまいます。
アルテミア飼育キットはニチドウやエイチ・エヌ・アンド・アソシエイツなどのメーカーから販売されていますが、基本的にアルテミア育て方は一緒です。継続的な飼育をする上で重要となる点も合わせて紹介していくので参考にご覧ください。
事前準備
エイチ・エヌ・アンド・アソシエイツのアルテミア飼育セットには水槽がついてきません。
ニチドウの方には小さな水槽がついてきますが、観察がしづらく、水量も少ないため環境維持が困難です。始める前に100均にて500ml以上入る容器を購入することをおすすめします。
本記事では1L入る容器を購入し飼育をスタートさせています。かなり余裕がありおすすめ。
付属の海水の素を使用する。代用も可能。
入れすぎると孵化率と生存率が下がる。
孵化したタイミングで餌やり開始
観察はここで一区切りできる。
アルテミア飼育キットの流れはかなりシンプルです。同じように販売されているホウネンエビやカブトエビと比べると卵の代替品が販売されていたり、失敗時の取り返しもしやすいのが特徴です。
また、孵化・育成難易度が低いので最短で1週間ほどで観察の過程を終了することができ、自由研究の追い込みにもおすすめです。
飼育キットで説明書通りするならまずは300mlに対して海水のもとを全て入れかき混ぜます。よく混ざったら早速卵を入れましょう。
後述しますが、飼育水(塩水)は300mlに対して塩6gを入れることでも代用が可能です。
アルテミアの卵はほんのわずかだけ入れるようにしましょう。多く入れると孵化した際の生存率が下がってしまいます。(酸欠や水の汚れから)1回あたりのトライで飼育キットに封入されている卵はかなり余ると思いますが、正常です。
アルテミアの孵化率を上げるには高い光量が有効と言われています。部屋の明かり程度では暗いため、別途LEDライトを用意すると良いです。卓上LEDライトや高い光量のライトは100均でも購入が可能です。ライトは24時間つけっぱなしでも問題ないので孵化するまで高い光量をキープするように心がけましょう。
水温は20度以下では孵化せず、22〜28度とされていますが、無難なのは26度前後です。夏場の場合、部屋の空気が澱んでいると室温よりも水温が高くなる場合もあります。涼しい部屋に置いておくようにしましょう。
稚魚の餌向けにブラインシュリンプをよく利用する人はエアーレーションをすることも当たり前になっているかもしれません。卵は攪拌させ、常に動いている状態が孵化率が高いです。
止水状態だと孵化率は下がる場合があります。(飼育キットで育てる分には問題ありませんでした。)また、孵化した後も個体数が多いと酸欠で死んでしまう場合があります。
最低でも水槽の蓋を開けておくか、1日に1回はストローでも良いのでブクブクさせると良いでしょう。
孵化したアルテミアの卵の殻は磁石を使って取り除くことができます。ただ、磁力の弱い磁石だとくっつくないので強力磁気がおすすめです。(無理に取り除く必要もありません。)
アルテミアの幼体は小さすぎるので餌を多く入れると水の汚れが加速してしまいます。付属する餌は指先につく程度を与えるのがちょうど良かったです。
もはや食べている姿を確認することは困難。とりあえず餌を入れておけば死ぬことはないでしょう。毎日あげずに2日1回、たまに3日1回程度でも十分です。
足し水とは水槽の水が蒸発した分だけ継ぎ足す事。
開始から4日〜5日目くらいから水替えを考慮した方が良いでしょう。そこに餌や殻が沈み結構汚い状態であることがわかると思います。(揺らすと水槽全体が汚れるので揺らさないように注意)
ゴミは可能ならスポイトで吸い出したいところですが、小さなアルテミアも吸い出してしまう場合があるので神経を結構使います。
よく見ると水が蒸発しているのが分かります。この蒸発した分を足すだけでも十分ですが…。
水量の入る容器なら追加で300ml分の塩水を入れてしまうのがベスト。水量が多く慣れば濁りが落ち着いた後にゴミを取り除きやすくもなります。
2回目の水替えも足し水式で行うのが無難。水の量が多ければスポイトで取り除くことをおすすめします。
300mlに対して塩6gを入れることで同等の塩分濃度の水を用意することができます。
生まれたばかりの姿と成長時の姿が異なるのが面白い。毎日観察することで形態変化を垣間見ることができるだろう。
最大で1cmほどにまでなると言われている。この形態はまだ0.5cm〜0.7cmほどのサイズ。小さな姿でも糞をする様子も見ることができる。ルーペなしでも肉眼で十分見れる。
アルテミアの卵はブラインシュリンプの卵として販売されています。もし飼育キットの分で孵化しなかった場合、ブラインシュリンプを購入しましょう。ネットでもアクアショップでも購入が可能です。