魚も寂しさを感じるのか?飼育経験で見る魚の姿
今回のコラムは魚も寂しさを感じるのか?についてです。魚の感情はパッと見では可視化し計測することは出来ません。しかし、長く飼育してくことで魚の反応や泳ぎ方、発色の良さなどから飼育者として感情なようなものは感じることができます。
魚にも感情はあるのか?
小さな魚でも知性はある
魚は場面に応じてどう動くか知性を持って行動しています。例えば餌をくれる特定の人間の姿、餌を貰えるまでの動作(音や行動)といった事は小さな魚であっても学習することができます。
上記の動画は飼育下にあるネオンテトラがピンセットの音を覚え餌を貰いにくるケースです。新しい魚を入れた場合でもその魚の警戒心が解かれていれば周りの魚に合わせて仕組みを理解することができます。
感情はあるのか?
感情の起伏が顕著に見やすい観賞魚としてはベタが身近かもしれません。ベタは人間にもなつくと言われ、飼育者の姿を見つけては前面に出てくる行動をしたり、飼育者の手の中に収まるような行動を起こす個体もいます。
フラれたことによるダメージ?
ベタの繁殖ではオスとメスの相性が合わないとメスがボロボロにされて死んでしまうという闘魚ならではの特徴があります。
メスを守るために目の見えない所へ隔離を行うのですが、以前に飼育していたベタ(♂)はメスが目の前から居なくなったら否やどんどん衰弱し最終的に餌も食べずに死んでしまうという事が起きました。
外傷もなく、水質も変わらずであったのにも関わらずメスが居なくなるという要因で現れた現象だったので「もしかしてフラれたショックから?」なんて考えも湧きました。実際の死因については分からないままです。
個体数の現象でストレスが生まれる?
魚によっては複数体でコミュニティを成している魚も多く存在します。小さい魚も普段バラバラな遊泳をしていても寝る時は固まっていたりすることもよく見られます。
混泳に問題なく種族の異なるコミュニティからそれぞれを別の水槽に移し飼育した歳も単体となった魚は動きが鈍くなったり、どことなく元気がないように見えることはしばしば。やはり寂しいという感情はあるのかもしれません。
まとめ
感情がないという意見も
魚類は犬猫などの哺乳類よりも下等生物に囚われる傾向が強く、魚に感情はないと言う飼育者も少なくありません。「餌を貰えたら誰でも良い」と言う方もいます。
近年では知性や情緒が取り上げられている
鏡の中の自分を認識できているという研究結果や金魚が仲間の金魚を介護するという姿もメディアを通して発信されることが多くなりました。魚にも自分の存在についてや仲間への思いやりがあるなどが分かるのですから少なからず寂しいという在り来りな感情は持ち合わせている可能性は高いと考えます。
大阪市立大学大学院理学研究科の幸田 正典教授の研究グループは、ドイツのマックスプランク研究所などと共同で、魚類が鏡に映る姿を自分だと認識できることを世界で初めて明らかにしました。本研究成果は、自己認知といった高度な認知能力を持つのはヒトや霊長類だけではなく、他にも多くの動物ができる可能性を示しています。これは一般の人々のみならず、動物の認知や知性に携わる科学者の常識をも根底から覆す驚きの発見です。
大阪市立大学「鏡に映る自分」がわかる魚を初めて確認!~世界の常識を覆す大発見〜
スイスでは金魚の単体飼育が禁止
スイスでは2008年に生き物の権利を守るための法律として単体飼育を禁止しているようです。(理由は金魚が寂しいから)
魚に感情がないというコレクションのような扱いを行うのは日本などアジア系に多いのでしょうか。魚を飼育する際には混泳相性はもちろん飼育数にも考慮していくのがベストなのかもしれません。