INNOVATE AQUARIUM AWARDって何?誰が参加出来るの?
INNOVATE AQUARIUM AWARDって何?
イノベートアクアリウムアワードは水槽レイアウトのような水槽の景観を評価し合うレイアウトコンテストではありません。イノベートとは革新や手法といった意味があり、今回のアワードは、簡単に言えば「生き物のお世話の仕方を発表する」場になります。
何が目的で開催されたの?
アクアリウムで世界を変えるって?
主催者の株式会社イノカは天然海水を使わずに、海にいる生き物が住む環境を水槽内で再現する技術を開発しています。そして、2022年には夏にしか産卵しない種のサンゴを人工的に作った環境で、真冬で産卵させることに世界で初めて成功させています。この成功の背景には水槽の維持管理から得た経験や発見が元になっています。
この技術をさらに発展させると、世界のあらゆる環境資源の保全に繋がげることができます。減り行く環境資源の保全ができれば、医薬品や化学品、化粧品、食料品の研究開発も進めやすくなり、病気で苦しむ人を助けたり、貧困を救ったり、健康維持・増進といった世界中の人々の生活を豊かにすることにつなげることができます。
この技術の発展には、多くのアクアリスト個々が持つ、経験が必要です。アクアリウムアワードではアクアリストの持つ経験を募集し、世界を変えるためのヒントを探し出すという狙いがあります。そのヒントはプロの視点、アマチュアの視点、どこに眠っているか分かりません。
そのためアクアリウムアワードでは多くの人に参加していただき、一緒に世界を変えるヒントを見つけ、企業とアクアリストが繋がれる大会を目指しています。この記事ではアクアリウムアワードの参加方法や評価基準、用意するものを解説しているので参考にご覧ください。
INNOVATE AQUARIUM AWARDとは
INNOVATE AQUARIUM AWARDはカタカナでイノベートアクアリウムアワードと読みます。イノベートには革新することや手法といった意味があります。
イノベートアクアリウムアワードが目指す先は、生き物を飼育するスキルを発展させて、環境資源の保全をし、その資源をもとに人々の生活を豊かにするための医薬品や化学品、化粧品、食料品といった多くの研究開発につなげることです。
そのため、アクアリウムアワードは、世界水草水槽レイアウトコンテストのような水槽の景観を評価をするのではなく、生き物に対する熱量が評価されます。
生き物に対する熱量=大切に育てるということ
生き物に対する熱量ってどういうこと?
飼っている生き物がとんでもなく好きだったら、あなたはどう思う?
長生きしてほしいって思うかな
そう!長生きしてもらうために、あなたが普段から意識していることや取り組んでいることをこのアワードで発表してほしいの
つまり、イノカの提唱する「生き物に対する熱量」は、生き物を大事にする思い=長く大切に育てたいという形の表れを意味しています。
アクアリウムアワードでは、普段から飼育している生き物(海・川・湖・沼に生息している水生生物)を思って大事にしていること、長生きさせるために取り組んでいることが評価されます。
水生生物は魚だけでなく、水生昆虫、爬虫類、両生類、甲殻類といった水辺に棲む生き物すべてが対象です。
プロ・アマチュア関係なく参加できる
水生生物の「育て方」を発表する場なので、プロのブリーダーしかエントリーする意味がないのでは?と思う方もいるかと思います。
しかし、好きな生き物に対して、どのようにアプローチしているかは飼育者によって全くちがいます。プロがアマチュアのおこなっている工夫を参考にし、発見につながるということも珍しくありません。
例えば、小さなお子さんが毎日、観察日記をつけているということも生き物を長く育てる上で大事な記録となり、さらには長生きの秘訣が書かれているかもしれません。
発表(プレゼン)することは大それたことに感じるかもしれませんが、主催者であるイノカが言いたいこと、伝えたいことを全力でサポートしてくれるので、小さいお子さんや学生の部活動、サークル活動の一環、個人の趣味であっても気軽にエントリーすることができます。
動画でも解説しています
アクアリウムアワードで得られる賞
複数名に賞金が贈られる
アクアリウムアワードでグランプリに輝いた人には30万円の賞金が贈られます。また、企業賞として5社に選ばれた方にも1社につき10万円が贈られます。ただし、企業賞は1人に対して複数の会社が選ばれることがあるので、グランプリを取っていなくても賞金が30万円になる可能性もゼロではありません。
現在パートナー企業は5社ですが、今後も増えていく可能性があり、受賞できる人も増える可能性があります。
企業と一緒に仕事をするチャンスを得られる
本アワードで発表されたアクアリストの取り組みが何かの研究に役立つ可能性があります。パートナー企業にはアクアリストなら誰もが知っているGEX、ものづくりに強いアオキシンテック、繊維製品の製造に強い長谷虎紡績株式会社、さまざまな研究を行い社会貢献をしているリバネス、大手製薬会社のロート製薬がいます。
ファイナリストは、これらの協賛企業の研究者とマッチングし、事業化できるチャンスをつかめるかもしれません。
アクアリウムアワードの参加資格
年齢や組織に関係なく誰でも参加ができる
アクアリウムアワードは小さなお子さんであっても参加することができます。また、学校の部活動の取り組みであっても問題はありません(団体で飼育している場合は、団体でのエントリーになります)。年齢、組織にとらわれず参加することができます。
アクアリウムなら全てが対象
アクアリウムは水生生物を飼育する環境を意味します。
海・川・湖・沼といった水生生物が住んでいるであろう環境の再現をしている、水生生物を飼育しているのなら誰でも参加することができます。
生き物の対象に縛りはなく、魚はもちろん、 無脊椎動物であるクラゲやサンゴ、水生昆虫、爬虫類、両生類、甲殻類など制限はありません。
生き物を飼育しているなら水槽でなくても良い
応募するには現在、生き物を飼育している必要があります。
応募要項では「生き物を水槽で飼育していること」との記載がありますが、池で飼育していたり、ビオトープを再現して魚やエビ、カエルといった水生生物を飼育している状態ならエントリーが可能です。
アクアリウムアワードのエントリーで準備するもの
アクアリウムアワードに参加するには、プレゼンに必要な文章と水槽の環境を紹介する動画、補足の画像(必要であれば)が必要になります。
200文字以上の文章が必要
アクアリウムアワードにエントリーするにあたって、自分の出展する紹介文は必須になります。紹介文は3つの内容から作成する必要があります。
- 好きな環境や生き物
- ①に対する好きな理由
- 好きをどのようにアクアリウムで表現しているか
好きな環境や生き物
好きな環境や生き物は現在飼育している生き物のことを指します。複数の種類の熱帯魚を飼育している場合は、「熱帯魚が好き」と大きく括っても問題ありません。
その理由(好きな理由)
飼育している生き物の好きな理由を記述します。100文字以上、1000文字以内の文章が必要です。専用エントリーフォームに記載するので特別な資料にして作り込む必要はありません。
好きをどのようにアクアリウムで表現しているか
飼育している生き物をどのように大切に育てているのかを紹介していきます。安心して暮らせるようにレイアウトを工夫している、水槽周りの環境づくりにもこだわりがあるなど、あなたの考える全てのことが「どのようにアクアリウムで表現しているか」に該当します。
こちらも好きな理由と同じように100文字以上、1000文字以内の文章が必要です。
30秒以上60秒未満の動画が必要
エントリーする飼育環境を紹介する動画が必要になります。特にYouTubeにアップロードする必要はなく、テロップやBGMなどこだわって作る必要はありません。
動画作品のコンテストではないので、自分の飼育環境づくりに取り組んでいる様子や工夫が伝わる内容であれば問題ありません。作成した動画はエントリー時のフォームにアップロードして提出することになります。
補足に使う資料(画像など)
提出する文章と動画に加えて表現しきれなかった補足資料として写真などの資料のアップロードも専用フォームから行えます。これは必須ではないので、必要なければアップロードする必要はありません。
エントリーの流れと応募期間
応募期間
応募期間 | 2022年12月1日〜2023年1月31日まで |
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エントリーの流れ
アクアリウムアワードに参加するには、事前登録フォームへの登録が必要です。Googleフォームにメールアドレス、名前、性別、職業を入力します。任意で自分が持つWEBサイトやYouTubeチャンネル、質問などを記述することができます。
事前応募が済むと、作品登録フォームが送られてきます。作品登録フォームは4つの必須項目と1つの任意項目で構成されています。
- 好きな生き物について(複数回答可)
- ①の理由(100文字以上, 1000文字以内)
- 好きの熱量をどのようにアクアリウムで表現しているか(100文字以上, 1000文字以内)
- 動画のアップロード
- 補足資料等のアップロード(必須ではない)
「生き物に対する熱量」についてはこちらで解説しています。
二次審査では審査員との15分程度のオンライン面談になります。作品登録フォームに登録した文章と動画の説明をすることになります。提出した文章と動画の内容で質問されることがあります。伝えたいことをまとめておくようにしましょう。
二次審査で通過されたファイナリストの方は、専用の会場で発表(プレゼン)をおこないます。開催場所は関東近郊を予定しており、遠方の方は交通費の支給があります。
発表(プレゼン)は、提出した内容の魅力が伝わるように運営がサポートしてくれます。人前に出るのが苦手であったり、考えをまとめられるか不安であっても心配はいりません。
イノベートアワード応募説明会を実施中
応募してみたいけど、自分は応募しても良いのだろうか?遠方に住んでいて、審査を進めていく場合、参加できなくなるのでは?熱量という評価についてもっと詳しく教えてほしい、などなど個人的に気になることや団体として、企業として気になることがあれば事前説明会でバシバシ相談してみましょう。
2022年の応募説明会の日程
開催日時 | |
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2022年12月 | 21日(水) 19:00 |
24日(土) 13:00 | |
27日(火) 18:00 |
2023年の応募説明会の日程
開催日時 | |
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2023年1月 | 1月7日(土) 13:00 |
1月11日(水) 19:00 | |
1月18日(水) 19:00 | |
1月23日(月) 19:00 | |
1月26日(木) 19:30 |
イノカはどんな会社なの?
アクアリウムを掛け合わせた仕事ができる会社
イノカの出発はサンゴの研究から
イノカの始まりはサンゴオタクであるCAOの増田直記のサンゴ飼育による熱量でした。サンゴがすくすく育つ環境を自宅の水槽で実現する飼育技術は並外れたものがありました。その飼育技術(環境づくり)に目を向けたのが代表の高倉葉太でした。
彼はサンゴが育つ海の環境を水槽に再現する力と、それを数値化・解析できる独自のIoTシステムを掛け合わせて、海洋生物・生態系の健康診断技術や保全技術を開発しました。
この技術は日焼け止めや農薬といった化学物質を製造するメーカーに役立てることができます。製造メーカーは医薬品や化粧品などを製造する前に、環境に悪影響を与えないかテストをする必要があります。
海に直接製造したものを流して影響を検査するということはできません。しかし、海を擬似的に作った水槽で検査をすれば、良い影響を与えるのか、悪い影響を与えるのかを評価することができます。この影響評価(海洋治験事業)がイノカが行うビジネスモデルの一つになります。
次世代の研究者を育てる取り組み
イノカでは子供たちを自社のサンゴ礁ラボや商業施設に、サンゴ礁ラボを用意して招く取り組みをおこなっています。子供たちにリアルな生態に触れさせ、サンゴ礁を取り巻く環境問題を通して、課題解決力を養います。
そして、イノカのように研究を生かして社会を変える仕事があるということや、自分の力で社会を変えることができることを認知してもらい、アクションを起こしてもらうまでを目的としています。
実際に小学6年生がユニクロと三井不動産とコラボ事業をおこなったり、小学5年生が東大研究室とコラボし、学会発表をおこなっています。
アワードを通してアクアリストと企業を結びつける
今回のイノベートアクアリウムは、第1回目の取り組みにすぎません。アクアリストの持つ飼育ノウハウや生き物に対して「好きすぎて取り組んでいること」を今後も発掘し、アクアリストの持つスキルを企業の研究や取り組みと掛け合わせていきます。
最後に
アクアリウムを通して世界を変えられることを提唱し、実行している唯一の企業です。ここでは分かりやすくどんな会社か?を紹介してきましたが、他にももっと楽しい事業をおこなっていて、これからの事業計画もワクワクするものばかり。これからアクアリウムでどんなことをしていくの!?と興味がある方は公式HPやSNSをぜひご覧ください。