パイロットフィッシュは水槽に水を注水してから初めていれる魚の事を指します。初めての生体という意味からテストフィッシュとも呼ばれます。この記事ではパイロットフィッシュの必要性やパイロットフィッシュの条件、おすすめの魚をまとめています。何を入れたら良いか分からない方は参考にご覧下さい。
パイロットフィッシュとは
環境を整えるために入れる魚
入れて良い期間 | 白濁りが取れたら |
ここで言う環境とは濾過バクテリアが在駐している状態のことを指します。濾過バクテリアを増やすためには有機物が必要となります。有機物はソイル内の成分や餌、魚の糞だったりします。
何も無い状態では濾過バクテリアは増やすことが困難なので、あえて丈夫な魚を飼育し有機物を発生させて濾過バクテリアを増やすということをしているわけです。
パイロットフィッシュの条件
環境が不安定ということは弱ったり病気になりやすい状況とも言えます。したがってパイロットフィッシュは丈夫な魚である必要があります。また、丈夫な魚であれば何でも良いとも言えます。
ただし、立ち上げから完成後までずっと飼い続けるのならば、縄張り争いに大きな影響を与えない小型系や温和な魚がベストと言えます。
パイロットフィッシュは必須なの?
結論から言うと「ソイル」を使っている場合、パイロットフィッシュは必要ではありません。ソイルは土を固めて作られた物であるため、濾過バクテリアの餌になる有機物を多く含んでいるのでパイロットフィッシュを入れて糞や餌カスをあえて入れる必要がないのです。そのため、水草水槽なんかはあえて入れる必要もないですし、入れたことで立ち上げが失敗することもある(水草を抜かれたり)ので無理に入れる必要はないです。
飼育水を引き継いでる場合は不要
前回のレイアウト水槽に使っていた水をそのまま利用する場合は濾過バクテリアがある程度引き継げるので不要です。その場合、パイロットフィッシュを入れる云々の話ではなく、すぐに全部の生体を入れてもあまり問題ありません。
パイロットフィッシュの選び方
パイロットフィッシュは既に飼い込んでいる丈夫な魚を入れるのがベスト。しかし中には購入しないといけないパターンもあるでしょう。その場合気をつけた方が良いのは以下の点になります。
ヒレに欠けがない
生まれつきの場合は覗いて、ショップなどでヒレがバサバサしているような子を選ぶのはやめましょう。尾腐れの初期症状であることが多く、体調は万全とは言えません。(人間で言うと風邪気味)
ネットショップは避けよう
ネットショップでは魚の状態が分からない上に輸送までの時間でストレスを感じてしまいます。丈夫な品種でもパイロットフィッシュとしては荷が重いです。実店舗に足を運び選ぶのが理想です。
温厚な魚
▲サイアミーズは向いていない
だいたいパイロットフィッシュは完成後も入れたままにすることが多いので、温厚な魚が理想です。というのも魚は入れた順から縄張りを決めていく傾向があり、後から入れるほど権力的には弱くなるからです。初めから強気な魚を入れると後入れの魚を追いかけたりする可能性があります。
パイロットフィッシュおすすめ8選
ネオンテトラ
初心者でも飼育しやすい熱帯魚。熱帯魚の中でも特に人気が高く流通量が多いため新鮮な個体を入手しやすいです。サイズ別で売られている事があるので初めて導入する場合はSサイズから購入するのがおすすめです。

レッドテトラ
育っても2.5〜3cmほどの赤いテトラ。ショップではレッドテトラ、ファイヤーテトラとして売られています。飼い込むほど赤みが増していきます。性格は温和でどの魚との混浴もバッチリ。エビへの危害もありません。餌は小型ゆえ、フレークが主食になる事がほとんどです。

レッドファントムテトラ
写真は導入したばかりの様子。レッドファントムは最初は3cmほどの大きさですが、成長すると5cmほどになり、時間が経つほどレッドテトラよりも真っ赤に染まる特徴があります。真っ赤な大きなヒレが存在感を際立たせるのでレイアウトの差し色としても活躍します。

ラスボラエスペイ
カラシン科に思えますが、ラスボラエスペイはコイの仲間。といっても全長は3cm前後と小柄のため、群生させるととても綺麗な姿を見せてくれます。ネオンテトラと同じようにレイアウトへの導入率の高い人気種。1匹あたりの単価も安いので初心者も簡単に育成を始められます。

バジス・バジス
別名カメレオンフィッシュとも呼ばれる体色を変化させる事ができる魚です。バジスバジスはスネールを好んで食べてくれるため、水槽立ち上げ時にスネールの予防や除去にも一役買ってくれます。餌は基本的にアカムシかすネールで、フレークを食べてくれないのが難癖。個体の性格にもよりますが、チェリーシュリンプなどの小さいエビを食べる場合があるので、混浴の際は注意が必要です。

オトシンクルス
オトシンクルスはコケ対策の代表格とも言える魚。パイロットフィッシュとして入れると流木や機材についた水カビを食料として過ごしてくれる利点があります。(個体によっては食べない場合もある)導入から完成後も水槽内にいても目立つことはないので、入れっぱでも良いでしょう。

ブッシープレコ/アルビノ含
オトシンクルスよりもコケを食べてくれる傾向が強いです。そのため、うんちの量も尋常じゃありません。化粧砂を入れている水槽ではブッシープレコのうんちが目立つほどある場合も。1匹だけ入れるのでも十分です。

ニジイロボウズハゼ
ショップで意外と安売りされている事が多い変わり種。性格は温和でフワフワと泳ぐ姿が愛らしいニジイロボウズハゼ。苔取り性能はオトシンクルスと同等レベル。壁についた苔は食べるのが苦手ですが、流木などについた苔は大きい口でパクパクと食べくれます。飼い込むほど体表も鮮やかになるので、レイアウトの完成と色揚げを同時に楽しむのもおすすめです。

パイロットフィッシュまとめ
バクテリア材と併用すると良い
パイロットフィッシュを入れたとしてもすぐには濾過バクテリアが定着するわけではありません。したがって、バクテリア材を入れて濾過バクテリアが増えるようにアシストするのも良いでしょう。バクテリア材はよく振らないと有機物の塊が漂うことになるので注意です。
パイロットフィッシュがいらない場合
ベタ水槽やボトリウム
ベタ水槽やボトルアクアなど、生体の数が少ない水槽は濾過バクテリアが絶対必要というわけでないため、パイロットフィッシュをあえて入れる必要がありません。
フィルターなし水槽
フィルターがない水槽=換水がメインの水槽も汚れを自身でコントロールすることになるため濾過バクテリアの重要性に欠けます。