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水草に付着する農薬の危険性とエビが引き起こす症状や処置方法

水草に付着する農薬の危険性とエビが引き起こす症状や処置方法

水草は水槽内に入れる観賞用として販売されていますが、それらの水草の多くには農薬が使われていることをご存知でしょうか?

農薬といえば私たちが食べるものに使われる印象が強いですが、水草にも使われています。

残留農薬がついた水草を水槽にそのまま入れるとエビや熱帯魚、メダカが苦しみながら激しく泳ぎ回り、高確率で死んでしまうので無農薬の水草選びや洗浄方法は知っておく必要があります。

この記事では農薬がついていた場合のエビ、魚の症状や改善方法などを解説しています。

目次

水草に農薬がついている理由

害虫を寄せ付けないため

ミズムシ(水ゲジ)

水草は食べ物じゃないのになんで農薬がついているのだろうと疑問に思う人もいるかもしれません。水草も安定的に栽培し、販売するために害虫による食害を防ぐ必要があります。そのため、農薬を使用して水草を栽培するファームも多くあります。

輸入検疫を通過するため

海外にはウリミバエやミカンコミバエといった日本の農作物に多大な影響を与える病害虫が生息しています。

ミカンコミバエの写真

そのため、輸入検疫ではそれらが付着していないかや、付着させないために農薬による対策を行っているかが求められます。

輸入検疫は厳しいため、輸入水草のほとんどが農薬使用されていると思うべきです。

ちなみに病害虫の駆除に国は254億円と20年余りの時間をかけたため病害虫の対策は一般人が思う以上に深刻というのが分かります

水草に残留農薬があると起きるリスク

水草に付着したままの農薬を残留農薬と言います。残留農薬は「水草その前に」といったトリートメント財で洗い流す必要があります。

ここでは残留農薬が水槽内に引き起こすリスクについて解説します。

エビや魚が死ぬ恐れがある

残留農薬が水槽内に及ぼす影響でもっとも挙げられるのはエビや魚への健康被害です。

時に農薬は昆虫と近類である甲殻類への影響が大きく、水槽内にいるエビやビーシュリンプなどが全滅する可能性も非常に高いです。

また、メダカやその他熱帯魚も致命的なダメージを受けることがあります。大切な生体を飼育しているなら水草購入時はきちんと残留農薬を取り除く必要があります。

フィルターや器具の洗浄が必要になる

残留農薬がついた水草をそのまま水槽内に持ち込むなら、水槽内のフィルターや器具に付着する可能性も考慮しなくてはいけません。

エビやメダカに被害が確認されたらすぐに水換えや他水槽への引越しが必要になりますが、フィルターや器具の洗浄も必要になるケースもあります。

ソイルの使い回しができない

ソイルは多孔質になっているため残留農薬を吸着しやすいです。

残留農薬はおおよそ30日で半減期を迎えますが、どんなものを使っているのか分からないので生体が異常行動を起こした場合はソイルを使い回しせずに破棄した方が良いです。

残留農薬が引き起こすのエビや魚の症状

  1. 激しく泳ぎ回って死ぬ
  2. 激しく泳ぎ回って水槽から飛び出す
  3. 水面に上がってくる
  4. 呼吸が荒くなる

激しく泳ぎ回って死ぬ

残留農薬が水槽内にあるとエビや魚は激しく泳ぎ回る異常行動を起こすことがあります。

特にエビは水槽の外に出ようとする行動を起こすことがあり、実際に飛び出して干からびて死んでしまうケースがあります。

休むことなくグルグルと泳ぎ回るので苦しそうな姿から異常行動であることがすぐに分かるはずです。

小さい個体であるほど残留農薬のダメージが顕著に現れるため、異常を確認して数時間以内に水換えや引越しをしないと絶命します。

水を多く入れ替えるか、同じ水温、PHの環境への避難が緊急対応策になります。

呼吸が荒くなる

魚は水槽内を激しく泳ぎ回るだけでなく、その場にとどまって呼吸が早くなったり、エラ部分が赤みを帯びるケースがあります。

同じ水温、PHの環境への避難や半分以上の水換えをして様子を見ることが改善策になります。

水草に残留農薬があった場合の対処方法

水草を水槽から取り出す

水草に残留農薬があったことでエビや魚が苦しんでいる場合、すぐに原因となる水草を水槽から取り出す必要があります。バケツに水草を入れたら「水草その前に」といったコンディショナーを使用して洗浄します。

水草その前にを1袋入れる
「水草その前に」を使用

半分以上の水換えを3日~7日行う

残留農薬のある水草を水槽から取り除いたら、水槽内の水を半分以上入れ替えます。さらに落ち着きがなければ、再度水換えをする必要があります。

水槽内に残留農薬のついた水草をどれくらいの時間入れていたかにもよりますが、最低でも3日間は水槽の水を大幅に入れ替えて農薬を無害化させる必要があります。

使い捨ての濾過材も導入することをおすすめします。

活性炭系の濾過材を使用する

活性炭など吸着系の濾過材を使用すれば残留農薬を吸着して水槽内の拡散を抑えることができます。ブラックホールといった品質の高い活性炭濾過材は、農薬以外にも不純物を吸着してくれるので、水槽によっては透明度の高い水にすることもできます。

農薬がない水草を水槽に入れる方法

エビが泳いでいる水槽の水草を選ぶ

ヤマトヌマエビ

アクアショップで水草を選ぶ時はその水槽内にエビが泳いでいるかチェックしてみると良いです。泳いでいれば残留農薬はないと判断できるので購入してから農薬事故を避けることができます。

無農薬記載の水草を選ぶ

親切なアクアショップやネットショップは無農薬ときちんと表記しているため安心して購入することができます。

無農薬と記載のない水草は残留農薬が付着している可能性が高いので、購入後は洗浄する必要があります。

黒ポット&ウールに巻かれた水草は注意

育成しやすく、丈夫な水草としてアヌビアスナナやミクロソリウムはウールに巻かれポットに入れられて管理されていることが多いですが、この時に農薬が使われていることが多いです。

水槽内に生き物がいない、グッピーモーリーが数匹だけ泳いでいるという場合は残留農薬があることを疑って購入後に洗浄した方が良いです。

組織培養の水草を選ぶ

組織培養の水草

組織培養で育てられた水草はそもそも無菌状態で育てられたものなので農薬が使われていません。したがって組織培養の水草もリスクがなく、洗浄の必要がありません。

水草その前にで洗浄する

「水草その前に」は焼成カルシウムによって農薬塩素を除去することができる商品です。

残留農薬は水洗いだけでは落とすことが出来ず、通常の水に浸け置きしていても2週間以上の時間がかかることが想定されます。

購入した水草を出来るだけ早く水槽に入れたいなら「水草その前に」は合わせて購入し、水草を洗った方が安心安全です。

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