


ウォーターマッシュルームは水上の場合に呼ばれることが多く、水中ではピグミーマッシュルームとして呼ばれることがある水草です。水陸両用に生息できるため、水草水槽(アクアリウム)とビオトーブどちらにも用いることができます。育成難易度も高くなく、初心者でも育てやすいウォーターマッシュルームの育て方を紹介していきます。
ウォーターマッシュルームの情報 | |
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分類 | ウコギ科 チドメグサ属 |
学名 | Hydrocotyle verticillata |
分布 | 原産)北米(原産) 派生)日本、南アメリカ、アフリカ、オーストラリア |
類似水草 | ノチドメ系 |
別名(和名) | ウチワゼニクサ |
別名 | ウォーターコイン ピグミーマッシュルーム ハイドロコタイルベルティキュラータ |
葉の大きさ | 水中)1cm~2cm 水上)5cm~20cm |
育成難易度 | |
成長速度 | ゆっくり |
レイアウト配置 | 前景〜中景 |
温度 | 22〜26度 |
水質 | 5.5〜6.5 |
硬度 | 0〜5 |
二酸化炭素(CO2) | 必須 |
光量/照明 | 高い光量が必要 |
増やし方 | 差し戻し ランナー |
参考価格 | Yahoo!ショッピング 640円〜 |
Amazon 758円〜 | |
楽天市場 768円〜 |
ウォーターマッシュルームはウォーターコイン、ピグミーマッシュルーム、ハイドロコタイルベルティキュラータなど呼び名がいくつかある水草です。
ウコギ科の植物で細長い茎と受け皿のような丸い葉を展開するのが特徴。成長は遅い方で丸い葉にコケがつきやすいので、オトシンクルスやエビを多めに入れる対策が必要です。
ウォーターマッシュルームとウォーターコインは同種として販売されていますが、ウォーターコインとして販売されている場合は明らかに葉が大きく、ウォーターマッシュルームやピグミーマッシュルームとして販売されている葉の10倍ほどのサイズであることがほとんどです。
ビオトープで用いられる場合はウォーターコイン(ウチワゼニクサ)がほとんどです。また、ウォーターコインは水上化している状態しかほぼ見受けられないのでサイズも色も濃いです。
ウォーターマッシュルームことピグミーマッシュルームは、水中だと1〜2cmの丸い葉を展開する有茎草です。奥深く埋め込めば丈がそこまで目立たず、前景として起用することも。ただし、ピグミーマッシュルームだけだとスカスカに見えてしまうのでヘアーグラスなどと合わせて茎部分を隠してあげると綺麗にレイアウトできます。
深く植えずに抜けない程度に埋め込めば、茎がニョキニョキ伸びていくので中景のワンポイントとしても使えます。前景としてウォーターマッシュルーム(ピグミーマッシュルーム)を群生させた光景を写真に収めたい場合は育成タイミング(丈の伸びるタイミング)が重要となります。
ウォーターマッシュルームは水上葉の方がよく知られているため、メダカ水槽などビオトープに用いられることが多々あります。ショップによっては水中葉でなく水上育成された物が売りに出ている場合も珍しくありません。水上葉は葉が大きくなりやすく、最大で20cmほどの大きさになる事もあります。
水草全てに共通するところではありますが、導入時の植え込みは4cmくらいは植え込みたいところ。特にウォーターマッシュルームは茎がどんどん伸びていくので、最初の段階で葉しか出ていなくても問題ありません。
水槽規格 | まぁまぁ育つ | 十分育つ |
---|---|---|
30cm | 300~500lm | 588~1,176lm |
45cm | 750~1,000lm | 1,500~2,000lm |
60cm | 1,000~2,000lm | 2,550~3,000lm |
ウォーターマッシュルームは光量が少ないと、光を求めて丈が長くなっていきます。(有茎草の育ち方に順次ていると言える)LEDまたは蛍光灯は光量が高くなければ2つ用意するのが無難です。
品質 | ライト名 | 規格別 詳細 | |||
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![]() | 水作ライトアップ | ![]() | ![]() | ![]() | |
ルーメン | 588〜936lm | ||||
![]() | GEXクリアLEDパワーⅢ | ![]() | ![]() | ![]() | |
ルーメン | 500~1000lm | ||||
![]() | アクロ TRIANGLE LED GROW | ![]() | ![]() | ![]() | |
ルーメン | 1000~3000lm | ||||
![]() | Chihiros wrgb2 | ![]() | ![]() | ![]() | |
ルーメン | 2300~4500lm |
ウォーターマッシュルームの丈が伸びすぎてしまったら茎を切断するしかありません。茎を切ってそこから葉を展開することはほぼ無いので高さの調整は難しいです。ウォーターマッシュルームを増やしたい場合はランナーの切断を行いましょう。根元を真上から切断すればそこからどんどんランナーを広げて行きます。
ウォーターマッシュルームはランナーを張って増えていきます。葉と葉の間にハサミを入れて放置しておけば、その周りにランナーを展開して増やすことができます。違う場所に増やしたい場合は差し戻しを行いましょう。根が残っていないと枯れてしまうので注意。
トリミングした部位(本来なら破棄する草)をそのままソイルに植えることを差し戻しと言います。茎だけで枯れないの?と思うかもしれませんが、指した部分から根が出てくるので、ほとんどの有茎草は差し戻しで増やすことができます。差し戻しは水草のボリュームを増やすだけでなく、生えている領域を増やす目的で行われます。
ランナーとは根のような茎を指し、水草は放っておいても成長に伴って増えていきます。ランナーを切るとそこから武器するように成長が始まり2倍3倍へと増やすことが可能です。ランナーを切断する際は真上からハサミを入れ、ソイルごと切るようにするのが良いです。
ウォーターマッシュルームは成長が早く茎をどんどん伸ばしていきます。一方で植わっている周辺の栄養がなくなると徐々に葉が黄色くなっていきます。水質も影響しますが、場合によっては穴がぽつぽつと開き葉が溶けてしまう場合も。
葉のフチが黄色くなってきたら追肥を行うようにしましょう。大部分が黄ばんでしまったら茎ごと切ってしまった方が良いです。
ウォーターマッシュルームは水上も水中もどちらでも育成可能です。丈が伸びていき水上へ顔を出すこともあるためビオトープでもよく使われます。水中から水上(ポット/鉢)へ移行する場合はたっぷり水を与えて枯れてしまわないようにしましょう。
水上から水中へ移行するまでに葉が溶けてしまうことがありますが、水中葉を出すために必要な過程なのであまりシビアに考えないようにしましょう。
このまま帽子になりそうなウォーターマッシュルーム。今年の春頃、リセット時の様子です。 pic.twitter.com/XyuEJJwRS4
— Mangorou (@KobeMangoro) June 10, 2020
ウォーターマッシュルームの成長を促進させたい場合は二酸化炭素は必須と言えます。二酸化炭素なしでの育成の場合根付きが遅かったり、最悪根付かずに溶けてしまう場合もあります。
ピグミーマッシュルームにより下から上へのベクトルがやけに…
— ペカポン (@betaoon) March 3, 2020
ホシクサ応援隊か pic.twitter.com/aXDqVz4SJ8
ウォーターマッシュルーム、ピグミーマッシュルーム、ハイドロコタイルベルティキュラータ、ミニマッシュルームなどの呼び名でアクアショップ実店舗やネット販売、フリマ販売されています。名前が変わったから価格が大きく変化することはないようです。
実店舗、ネット販売共通して培養カップでの購入が1番無害で質が良いです。また、水中化しやすいのですぐに注水したい人や初心者にはおすすめ。価格は800円前後で十分な量が確保できます(ネットでは送料が上乗せ、地域によっては実店舗でも1000円を超える場合あり)
水上育成されたウォーターマッシュルームは水中化する際に溶けることが多く、水質悪化を招きやすいです。少しでも「水槽立ち上げに失敗したくない」「消失させたくない」という人は培養カップが良いでしょう。
フリマアプリは質を求められないものの、安価で多くのウォーターマッシュルームを確保できます。害虫やスネールの混入がある場合があるので、水槽に入れる際はよく洗いましょう。15葉で500円程度で売られています。1葉あたり100円で売っている場合がありますが割高なので要注意。
ウォーターマッシュルームは3度以下でも問題なく育つため、常にマイナスを記録するような地方でない限りは越冬することが可能です。
和名ではウチワゼニクサ(団扇銭草) と呼ばれ湿地帯や河川に野生で生えています。また、ビオトープ向けの水草としてはウォーターコインという名前で流通していることが多いです。