水槽白濁りの放置は危険?知っておきたい原因と除去方法や魚への影響
水槽の白濁りの原因には微粒子レベルの有機物が原因であったり濾過バクテリアの不足、栄養の飽和などが挙げられます。
魚に害のない有機物や栄養素による濁りであれば放置して改善を待つことは許されますが、濾過バクテリアの減少によって引き起こされる白濁りは水質が安定していない証拠なので、魚へ悪影響が出る恐れがあります。
水槽が白濁りする原因と対策を知っておけば今後水槽を立ち上げた時や白濁りしてしまった時の改善に役立てることができます。
水槽の白濁り5つの原因
微粒子レベルの有機物
水槽の白濁りの原因の1つには水槽内に漂う微粒子レベルの有機物が多いことが挙げられます。これにはカルシウムやマグネシウムなども含まれます。
また、季節によっては微細な空気が水道水に含まれることで、水換えをして一定時間、白濁したように見えることもあります。
濾過バクテリアの不足
水槽には餌や砂などの有機物が入ることで生体にとって猛毒なアンモニアを分解してくれる、硝化バクテリア(濾過バクテリア)が住み着くようになります。
濾過バクテリアが定着していると白濁りせず透明度の高い水になり、魚も健康的に暮らすことができます。
しかし、水換えを大量にした時や水槽を立ち上げたばかりの時は濾過バクテリアが減少したり、定着しないために白濁りを起こしてしまうことがあります。
水槽の栄養が多すぎる
水草水槽では水草を育てるためにソイルを敷いたり、肥料を撒くことがあります。
栄養が豊富なソイルを使用すると水が濁っていくことがあります。また肥料を追加した時も水量に対して多すぎると濁ります。
栄養が豊富な時の濁り方は白濁りであったり、黄ばむような濁り方をします。放置するとコケやアオコなどが発生するので、根気強い水換えが必要です。
固形肥料によって白濁りや黄ばみが引き起こされることが特定できているなら取り除いた方が改善は早いです。
床砂が舞っている
コロラドサンドやラプラタサンドといったきめの細かい床砂は低層を泳ぐ熱帯魚の水槽や水草水槽の化粧砂としてもよく使われます。
コロラドサンドやラプラタサンドなどの砂はソイルと違って洗っての使用が求められます。洗わずに使用すると濁りの収束にかなりの時間と水換え労力がかかります。
水槽フィルターの内部洗浄もする必要が出てくるなど良いことはありません。生体のみの水槽であれば、リセットしてしまった方が早いです。
また、水草水槽の化粧砂として洗わずに使用した場合、部分的に吸い出して洗った砂を入れ直す方が白濁りの収束は早いです。
フィルターの能力不足
水槽が白濁りする原因には、フィルターの濾過能力が水槽サイズに合っていないことが挙げられます。
濾過フィルターは魚のフンや餌の食べ残しなどの不純物を濾す役割が代表的ですが、そのほかにも余分な栄養や微細な有機物、バクテリアの定着といった役割があります。
フィルターの濾過槽が小さいことに加えて、モーターの吸引力が弱いと水槽内の濾過が追いつかず白濁りしてしまうことがあります。
水槽の白濁りが魚へ与える影響
微粒子レベルの有機物は無害
カルシウムやマグネシウムといった有機物や気温差によって空気が混じったことで白濁りしている場合は、魚へ与える影響はありません。
ただし、住宅の周りで水道管に関わる工事をしているときや水道水がやや赤みを帯びているときは重金属(鉄、マンガン、銅、亜鉛など)が混ざっているケースがあります。
重金属は魚のエラや粘膜にダメージを与え死亡させる影響があります。
普段から「エーハイム フォーインワン」といった重金属を無害化し、魚の粘膜を保護するカルキ抜きを使用することでリスクを最小限に抑えることができます。
濾過バクテリア不足の白濁りは突然死の原因
濾過バクテリアが少ない=魚に影響があるというわけではありません。
しかし、濾過バクテリアが少ないということは水質が安定していない証拠なので、毒性が弱まっていない(分解しきれていない)亜硝酸塩が発生している時は、魚に致命的な影響を与えるリスクがあります。
魚が怯えたような行動をしたり茶ゴケが目立つ水槽では早急な改善が必要です。
栄養が原因の白濁りは影響なし
ソイルや固形肥料が影響して栄養が水槽内に飽和し、濁ってしまった時は魚への影響はありません。
魚は関係なく過ごしますが、水槽内がコケだらけになり、景観が悪くなるほか、ミズミミズやプラナリアなども発生する可能性があります。
砂が原因の白濁りは影響なし
コロラドサンドやラプラタサンド、ボトムサンドといった細かな砂を洗わずに使ったことで白濁りしてしまった時は魚への影響はありません。
しかし、水槽フィルターが根詰まりしたり、故障するリスクがあるのでできるだけ多く換水をして改善した方が良いです。
水槽の白濁りを改善する6つの方法
水槽の白濁りを改善する方法は6つに分けて考えることができます。
水槽の白濁りの改善策は、段階を踏んで実行することで原因を突き止めやすくなり、どれがマッチした改善方法なのかを明確にすることができます。
エアレーションをする
不純物が原因であれば時間経過で解決しますし、濾過バクテリアの定着が原因であれば、バクテリアが死滅しないようにエアレーションをして様子を見るべきです。
まずは水換えをしてエアレーションをしっかりおこない、1日〜3日ほど様子を見るべきです。
この時に白濁り除去剤を併用しても問題ありません。
白濁り除去剤を使う
白濁り除去剤は多くのアクアメーカーが販売している商品です。魚のいる水槽で使用しても影響はなく、アオコの予防にも役立ちます。
白濁り除去剤は、水中に漂う微細な粒子を凝縮して、濁りのもとを固めることで濁りを改善します。商品によってはバクテリアの活性化を促すために天然酵素を配合したものもあります。
白濁り剤はメーカーによって用法用量がちがいますが、おおよそ6時間〜1日ごとの添加になります。
1日〜3日間添加して効果が見込めない時はバクテリア剤に切りかえたり、ほかの対策を試す必要があります。
バクテリア剤を使う
魚のフンやソイル、魚の餌といった有機物からバクテリアの繁殖を目指すのは時間がかかります。しかし、バクテリア剤を使用すれば、本来、水槽が安定するまでに数日かかるものが、すぐにバクテリアが定着し水質が安定します。
バクテリア剤は多く商品がありますが、中でもアクアメーカー「バイコム」のバクテリア剤は非常に効果があります。スターターキットも販売されているので初心者でも簡単に使用でき、効果を実感することができます。
低床(砂利やソイル)を敷く
低床とは砂利やソイルといった土壌を指します。
砂利やソイルには人が目視できない細かい気孔があり、その隙間にバクテリアが定着します。
つまり、砂利やソイルを敷いていないガラス面のみだとバクテリアが定着しづらく、いつまで経っても水質が安定しないということがおきます。
砂利とソイルの選び方
砂利とソイル、どちらを選ぶべきかは魚の好む水質に合わせるべきです。
例えば、中性から弱アルカリ性(PH7.0以上)を好む魚は水質が弱酸性に傾きにくい砂利を選ぶべきです。逆に弱酸性(PH7.0未満)を好む魚はソイルを敷くことで水質を弱酸性寄りに傾けることができます。
砂利には栄養がないため、水中内の栄養が多くなることで濁る心配はありませんが、ソイルは栄養系と呼ばれる要素が詰まったソイルを選んでしまうと濁りのリスクがあります。
少しの水草とお魚を飼育することがメインになるなら吸着性ソイルと呼ばれるソイルを選んだ方が良いです。
魚ごとの好む水質
PH | |
---|---|
メダカ | 〜8.5 |
金魚 | 7.0~8.0 |
ドジョウ | 7.0~8.0 |
ネオンテトラなど熱帯魚 | 5.0〜7.0 |
ウーパールーパー | 7.0〜8.5 |
上記の好む水質は目安になります。
熱帯魚は品種によって超弱酸性を好んだり中性でも大丈夫なケースがあります。個別での品種検索をして適した水質から砂利かソイルを選ぶことをおすすめします。
投げ込み式フィルターを一時的に使う
投げ込み式フィルターとは水中に投げ入れができるタイプの濾過フィルターです。
エアーリフト構造のブクブクや水中モーターでゴミを取れるコーナーフィルターなどが安く入手出来て取り付けも簡単なのでおすすめです。
投げ込み式フィルターは水質が安定したら水槽から取り出します。
投げ込み式フィルターを取り出して白濁りするようなら元々備え付けている濾過フィルターの性能が足りていない証拠です。
ワンサイズアップさせたり、外掛けフィルターから濾過能力が高い外部フィルターに変更するといった工夫が必要です。
濾過フィルターをサイズアップする
濾過フィルターのサイズを大きくするだけで水槽の白濁りが改善することがあります。
濾過フィルターをサイズアップすべきかの判断はバクテリア剤を入れても改善しない、水換え頻度を上げても改善しないといったときです。
水槽の白濁りに関するよくある質問
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