チェリーシュリンプ種類と繁殖・色の関係|飼育のコツや死ぬ原因
チェリーシュリンプはカラーシュリンプとも言われ、ビーシュリンプよりも安価に入手できる大きくならない小さなエビです。
飼育は簡単で初心者でも繁殖させやすく、青と黄色を掛け合わせると紫色を作れるといった色の掛け合わせを楽しむ事もできます。
ただし、繁殖や色の掛け合わせの仕組みについて知っておかないと気づいたらチェリーシュリンプが全滅してしまったり、汚い色の個体しかいなくなることがあります。
この記事ではチェリーシュリンプの繁殖や飼育のコツ、色の組み合わせや死んでしまう原因などを紹介しています。チェリーシュリンプを育てる方は参考にご覧ください。
チェリーシュリンプの特徴と種類
チェリーシュリンプの情報 | |
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分類 | ヌマエビ科 カワリヌマエビ属 |
学名 | Poecilia wingei |
別名 | カラーシュリンプ シナヌマエビ |
大きさ | 2~3cm |
寿命 | 1年〜2年 |
育成難易度 | |
温度 | 22〜28度 |
水質 | 5.0〜8.0 |
硬度 | 5〜12 |
繁殖 | 抱卵後、稚エビとなって散乱 |
参考価格 | 110円〜 |
寿命が短いゆえに繁殖が速い
チェリーシュリンプは寿命が短く、天敵がいない環境でも1年〜2年ほどで死んでしまいます。
そのため繁殖力が強く環境が整えば何世代か分からない程まで大家族になります。ただ、色を混合している場合、世代が重なる分だけ原種に近い色合いになっていき観賞用としては汚らしい色になってしまう傾向が強まります。
チェリーシュリンプの種類と色
チェリーシュリンプの種類と色 | |
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赤系 | レッド、オレンジ |
黄系 | イエロー、オレンジ |
緑系 | グリーン、グリーンジェイド |
青系 | ルー、ブルーダイヤモンド、ベルベット、ルリー、ダーク、紫(パープル) |
黒系 | ブラック、チョコレート |
白系 | スノーホワイト |
チェリーシュリンプは色に合わせて名前が付けられます。青の色が深くなるほどブルーダイヤモンドチェリーシュリンプやルリーシュリンプといった名前になっていきます。グリーン系は黄色と青色の間の子である場合が多く、黄色〜緑色に変わる個体は飼育慣れしている人からするとグリーンの失敗系とも言えます。
チェリーシュリンプの飼育の仕方
水合わせはしっかり行おう
チェリーシュリンプの早期に死んでしまう原因はphショックが高いです。水槽に移した時や水換えの時に暴れ狂ったように泳ぎ回る場合は赤信号。水温合わせはもちろん、飼育水と購入袋の水を少しずつ入れて慣れさせることが重要です。水合わせは大雑把にやるより点滴法で合わせるのがベストです。
ソイル飼育がおすすめ
酸性寄りの水質になると成長障害を起こしやすくなるので、ソイルを敷いて弱酸性(ph5〜7)の環境を作ってあげるのが良いでしょう。
水草とco2もセットに欲しい
水草は隠れ家と餌場、co2はカルシウムの溶出に役立ちます。水草が綺麗に育つ環境下のチェリーシュリンプ(カラーシュリンプ)は発色も良く繁殖力も強くなる傾向があります。水槽内のカルシウムが減ると脱皮不全なども起きやすいので注意しましょう。
チェリーシュリンプの死ぬ原因
- 魚に食べられる
- 脱皮不全
- PHショック
- 水温の急激な変化
- 酸欠
- 餓死
- 濾過バクテリアの減少
- 水槽の飛び出し
- 病気
チェリーシュリンプの水槽は死骸がでると半日もすれば他の個体が食べてしまいため飼育者は死んだことも気づきづらく、消えたと思う方も多いはず。ただ病気で死んだであろう死骸には、面白いことに他の個体が食べる事がほとんどなく、発見できる場合があります。その場合は速やかに水槽から出しましょう。
チェリーシュリンプの繁殖方法【飼育編】
チェリーシュリンプは5〜10匹程度を同じ水槽内に入れておくだけで繁殖します。水質など気をつける点はありますが、数を多く入れるほど確率は上がり、世話をしなくても勝手に増えていきます。
確実の増やしたいなら10匹以上は確保
初めてチェリーシュリンプの繁殖をさせたいのならチェリーシュリンプが死なない環境を安定させることが第一。初っ端からその環境を作るのは難しいので、最初に入れた10匹が全て生存し、かつ繁殖まで進めることができたら大成功でしょう。
チェリーシュリンプの数が減ってしまったら水質環境の見直し、水槽器具の見直しなどが必要でしょう。環境を見直しつつ、水槽サイズに合わせて5匹〜10匹と追加するしかないです。
チェリーシュリンプのオスとメスの見分け方
チェリーシュリンプのメスは成長すると腹部の足がオスと比べてモフモフしてきます。成熟する前の判断として体の中に黄色い臓器が見える場合があり、それをもった個体はメスである場合が高いです。卵の元なんて言ったりしますが、実際に黄色い臓器が見える個体を購入してから直ぐに抱卵するシュリンプも珍しくありません。
水温を22〜26度に安定させる
常に22度から26度のレンジで維持ではなく、22度なら22度をキープし続けるという意味合いになります。レンジが4度だと生体への不可は大きいです。冬場は昼と夜の寒暖差、夏場は水温の上がりすぎに注意が必要です。
筆者の飼育環境は26度キープ!常に誰かが抱卵状態になっております!
水草を多めに入れてあげる
チェリーシュリンプのみの水槽であっても水草は多めに入れてあげましょう。水草が多ければ住む環境も落ち着きやすいですし、餓死する確率も下がります。また隠れる環境があるないではストレスにも影響するように見受けられます。
二酸化炭素を適度に添加する
co2を添加することで自然に近い形でカルシウムを水槽内に溶出させることができます。水草が綺麗に育つ環境はチェリーシュリンプの発色、繁殖力にかなり差が出てきます。逆に水草やコケすら育たない環境だとどんどん数を減らしていくことが多いです。
チェリーシュリンプの繁殖方法【機材編】
水中フィルターはリスクが高い
水中フィルター、外部フィルター、外付けフィルターなど水を吸い込む力が強い物は稚エビが高確率で吸い込まれます。外部フィルター内で育つこともできますが、死んでしまう可能性も非常に高いです。またフィルター内で死ぬとフィルターの根詰まりの原因にもなり水流が落ち環境が悪化する場合があります。
排水口にはキメの細かいスポンジやマットで稚エビが吸われない工夫を採り入れましょう。
吸い込まれることがないスポンジフィルターや底面フィルターがおすすめです。エアーリフト式は酸欠のリスクも減らすことができるメリットがあります。ただ、濾過性能は循環率の高いフィルターよりも劣るので適度な水換えが求められます。
チェリーシュリンプの繁殖成功レイアウト
生い茂る環境であれば自然と繁殖していきます。水草がよく育つ環境では色味がも素晴らしい個体が多いです。
チェリーシュリンプの繁殖方法【体色編】
色の掛け合わせができる
チェリーシュリンプは色違い同士の間の子(色の掛け合わせ)を作ることが可能です。ブルーチェリーシュリンプとイエローチェリーシュリンプの間の子は紫色っぽくなったり、黄緑色〜緑色になったりします。背中の黄色が強く、体色がルリー色のような個体も生まれてきます。
イエローチェリーシュリンプとレッドチェリーシュリンプの掛け合わせで綺麗なオレンジチェリーシュリンプが生まれる場合もある。
より綺麗な色を求めるなら単色飼育
色違い同士では雑種の生まれる確率が高いですが、きちんと綺麗な単色になる個体も出てきます。ただ、綺麗な色を生み出したい場合は色味の強い個体かつ、単色での飼育をするのが理想です。
重なる繁殖は原色になる
チェリーシュリンプ(カラーシュリンプ)は元々ミナミヌマエビの近縁と言われており、交雑を続けると原色になっていきます。単なるシュリンプを愛でたい人にとっては色なんて関係なく、たくさんエビが増えた〜!と思うかもしれませんが、色を楽しみたい方は汚いと思うかもしれません。
残念ながら原色に近いチェリーシュリンプから色味の強い個体はほとんど生まれません。
ビーシュリンプと交配(繁殖)する?
ビーシュリンプは別種
チェリーシュリンプと姿が似ているビーシュリンプ。ビーシュリンプの方がパキッとした色合いが特徴で交配できないかなと思う人は少なくありません。結論を言うとチェリーシュリンプとビーシュリンプは別種であるため基本的に交配することはありません。(稀少例はあるかも?)
ヒツジとヤギは似ているけど基本的に交配しないのと一緒です。(日本での異種交配は2017年にニュースになった)
チェリーシュリンプ繁殖で勘違いしがちなこと
稚エビは生まれた瞬間からエビの形
飼育していると水槽内に非常に小さな虫のようなものがちょこちょこ泳ぎ回るのを確認出来るようになることがあります。よく見るとザリガニのようなロブスターのような見た目をしているため稚エビと勘違いしがちですが、これはケンミジンコです。稚エビは生まれた瞬間からエビと同じ姿をしているので見分けは容易です。
頭に白い何かがついている
チェリーシュリンプの頭に小さいウネウネした物がついている場合があります。目の悪い人は白い点が付いている程度の認識で、繁殖行動の何か?抱卵ってこれ?と思う人がいるみたいです。チェリーシュリンプについている白い動くものはエビヤドリツノムシという寄生虫です。直接の害はないようで放置している方も少なくありません。
チェリーシュリンプの種類別まとめ
イエローチェリーシュリンプ
王道のイエローチェリーシュリンプ。どこのショップでも購入でき、割と安めに価格設定されていることが多い。
チェリーシュリンプ サンキストシュリンプ
ショップではオレンジシュリンプとして販売されていることがほとんど。お店によって自己ブランド価値を高めるために名前を変えているケースがあります。
スノーホワイトチェリーシュリンプ
雑種のシュリンプとは異なり、名前のごとく白く可愛らしいチェリーシュリンプ。お店によってはあまり見かけないのでネット購入が無難?
チェリーシュリンプルリー
体の色が二つに分かれているチェリーシュリンプ。紅白の姿が可愛らしい。ビーシュリンプも似たような色合いがあるが、チェリーシュリンプの方が体色は薄めで体が透き通って見える。
チェリーシュリンプダークブルー
青系のチェリーシュリンプの中でもさらに色味が強く、透明度のないシュリンプ。ダークブルー以外にはブルーダイヤモンドシュリンプと呼ばれることも。赤色の個体と掛け合わせると紫色の個体が生まれることも珍しくない。
チェリーシュリンプグリーン
グリーンと呼ばれることもあれば、グリーンジェイドと呼ばれることもあればといったところ。グリーン色が汚いチェリーシュリンプは雑種にしか見えないのでクオリティの高いグリーンジェイドを維持するのは難しい。
チョコレートブラックシュリンプ
全身が黒いチェリーシュリンプ。ダークっぽいが、ダークと付くと大体は青系になるので、チョコレートが通称のようです。ダークブルーと赤系を掛け合わせることで紫〜チョコレート色が生まれやすいです。
チェリーシュリンプについてよくある質問
- チェリーシュリンプの繁殖には何匹必要?
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チェリーシュリンプを繁殖させたいなら最低でも10匹は必要です。5匹以下でも繁殖は可能ですが、確率が低いので多い方が繁殖させやすいです。また、チェリーシュリンプはオスメスを見分けることができます。ショップで購入するときはオスメスを見極めて購入することをおすすめします。オスメスの見分け方は「チェリーシュリンプの繁殖方法【飼育編】」で写真付きで紹介しています。
- チェリーシュリンプの適温は?
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チェリーシュリンプの生存しやすい温度は22度〜28度です。範囲は広いですが、一般的なオートヒーターの25度前後をキープできると良いです。夏場は高温すぎるとポツポツと死んでしまうのでクーラーやファンの設置は必要です。詳しくは「チェリーシュリンプの飼育の仕方」をご覧ください。