


マウンテンスパイニーイールはトゲウナギの中まで全長20cmほどの下層を泳ぐ魚です。水質にうるさくなく、丈夫なため育てやすい熱帯魚と言えます。臆病者な性格で、普段は砂の中や土管などの障害物の隙間に潜って出てきません。この記事ではマウンテンスパイニーイールの適した水槽サイズや育て方、寿命や餌、繁殖の仕方などを紹介しています。
マウンテン・スパイニーイールの情報 | |
---|---|
分類 | トゲウナギ目 トゲウナギ科 |
学名 | Macrognathus circumcinctus |
生息分布 | タイ 、 マレー 半島 、 スマトラ島 |
別名 | ハーフバンドスパイニーイール |
大きさ | 10〜20cm |
寿命 | 2年〜3年 |
育成難易度 | |
温度 | 20〜26度 |
水質 | pH6.0〜7.5 |
硬度 | 3〜15 |
参考価格 | 450円〜 |
マウンテンスパイニーイールはウナギの近縁であるトゲウナギの仲間。尖った鼻からトゲという意味ではなく背鰭にかけてトゲが並んでることから由来している。(目を凝らさないとあまりよく分からない。)
色は暗がりだと色素が抜けてクリーム色になる時もある。日中は周りに合わせて色の変化をする特徴がある。マウンテンスパイニーイールは夜行性で日中のほとんどは砂利や土管に身を潜めている。環境になれるとライト点灯時でも泳ぎ回る姿を見ることが出来る。
日本では一般的に魚のサイズ3cmあたり1Lと言われています。単純に20cmまで大きくなるので60Lは必要ということになります。ただ、マウンテンスパイニーイール単体であれば60L水槽でなければならないというわけでもありません。
実際に飼育すると身体を曲げて生活することがほとんどなので10cm個体なら6cm前後にしかなりません。そう考えると30cmのワイドタイプ(奥行18cm)でもある程度まで飼育が可能です。
逆に障害物や水草が多い大きめ水槽だと単独飼育の小型水槽と比べて遊泳スペースが取れずストレスになる場合があります。環境と混泳の数によって決めるべきですが、30cmキューブ水槽からでも飼育は可能です。
マウンテンスパイニーイールは網で捕まえられる時こそ凄まじく暴れますが、普段の生活は非常に穏やかな性格です。臆病な性格のため、外の明かりや音などに驚いて水槽から飛び出してしまう事があります。飛び出し防止策は必須です。
マウンテンスパイニーイールは夜行性かつ潜る性質があるため隠れ家が必須です。低床は砂利よりもソイルやサンド系を選ぶのが好ましいです。
当初マウンテンスパイニーイールを飼育していた時は、ラプラタサンドといったコリドラスを飼育する時などに使われるサンド系を使用していました。しかし、ソイルを敷いたエリアを作ったところ、圧倒的ソイル人気。ソイルの方が粒が大きく、自分を埋めやすいのかもしれませんね。
サンド系よりも準備や後片付けなども簡単なので、水草水槽をしている人はあえて田砂などの砂を別途購入する必要はないでしょう。ちなみにソイル管理の方が水質や汚れなどの管理が楽に感じます。
浮草も入れることでライトの光を拡散させるのもおすすめ。飛び出し防止策も考えると水槽全面が覆われても良いくらいです。
マウンテンスパイニーイールを購入した場合、ショップからの持ち帰りでも通販でも、まずは水合わせが必要です。水合わせとは飼育環境とショップなどでの管理環境における水質をできるだけ合わせることを指します。
上記は水合わせの簡易的な一例になります。PHをより正確に慎重に合わせストレスを軽減させたい場合は点滴法とってエアチューブを使って飼育水槽から購入した袋へ一滴ずつ水を送り込んで調和せる方法がおすすめです。
マウンテンスパイニーイールは警戒心が強く、下層を泳ぐので浮くタイプの餌はあまり好みません。低床に沈む冷凍アカムシがおすすめです。意外と体格は大きいので求める量はやや多め。夜行性なのでライト点灯時よりも消灯時に与えるのが理想です。混泳している場合は昼夜の餌のタイミングを分けないと餌が行き渡らない場合もあります。
マウンテンスパイニーイールは常にと言って良いほど砂に潜っています。動き出しの夜間に体表に違和感がないか、動きに変化はないか注視してあげましょう。
ライトの点灯時や物音、他の魚に追いかけられる、何かにビックリした拍子などで水槽の外へ飛び出してしまうことがあります。水槽の蓋はできるだけ無くすように心がけましょう。1cm以上空いていると隙間から飛び出す確率は高いです。
マウンテンスパイニーイールは口が小さく、稚エビでない限りは早々に食べられません。大きめのヤマトヌマエビなどであればお掃除やさんとの混泳は可能です。チェリーシュリンプはやめた方が良いでしょう。
餌を常に欲する魚と混泳させるとマウンテンスパイニーイールが餌にありつけない事が多く体が細くなっていってしまう要因になります。基本的には同種での混泳飼育が理想。
マウンテンスパイニーイール自体は温厚で他の魚との喧嘩はしませんが、夜行性なので餌のタイミングが1日に2回になってしまう場合もあります。そうなると水槽の汚れるスピードは上がるデメリットもあります。
明るい水槽で泳ぐ姿を見たいという人にはあまりおすすめでない魚です。マウンテンスパイニーイールは夜行性のため、日中はほぼ砂の中でひっそりとしています。ライト消灯から1時間後くらいに泳ぎ始めるので、鑑賞時間が若干ずれてしまいます。ただ、泳ぎ回る姿は愛らしく、色々な表情を見せてくれるので是非飼育をおすすめしたい魚です。