


アフリカンランプアイは南米を中心に生息する卵生メダカの仲間です。暗がりでランプのように光るメタリックブルーの目元が最大の特徴で水草レイアウトコンテスト上位の水槽にもスタメン入りする事もある初心者から上級者まで愛される熱帯魚でもあります。この記事ではアフリカンランプアイの適した水質や育て方、寿命や死ぬ原因、繁殖の仕方などを紹介しています。
アフリカン・ランプアイの情報 | |
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分類 | カダヤシ目 カダヤシ科 |
学名 | Poropanchax normani. |
分布 | アフリカ ナイジェリア カメルーン |
別名(略称) | ランプアイ |
大きさ | 3〜4cm |
寿命 | 1年半〜3年 |
育成難易度 | |
温度 | 22〜26度 |
水質 | 6.5〜7.2 |
硬度 | 4〜15 |
繁殖 | 産卵床への産みつけ |
参考価格 | 35円〜120円 |
アフリカンランプアイは卵生メダカの仲間で目が青く光って見えるのが最大の特徴です。暗い水槽ほど光の反射で光っているように見え、名前の通り目がランプのように見えます。略称でランプアイとも呼ばれます。
アフリカンランプアイはネオンテトラと並んでアクアリウムの入口としてオススメ出来る熱帯魚。単価も非常に安く、卸値レベルで販売しているショップでは1匹あたり35円で販売されている事もあります。購入のハードルが低いことに加え、飼育サイクルさえ慣れれば育成は容易と、まさに導入向けの魚です。
35円で販売されているのは最安値に近いので、これを普通のショップで求めるのは禁物。おおよそ平均としては1匹あたり80〜100円のレンジで販売されています。150円ともなるとかなり割高です。(アクライズというショップではオンラインショップで超安値で取り扱っていることがあります。)
アフリカンランプアイは価格の安さとメダカの仲間ということから初心者入門の熱帯魚として取り上げられることが多いです。これは間違っていないですが、丈夫で楽。というニュアンスからあまり世話をしなくても飼育できると誤認する方が多いです。水質悪化や急激な水質変化には弱く、ポツポツと姿が見えなくなる(死んでしまう)という事はよくあります。充分な濾過環境と週1の水換えなどのルーティンは必要です。
目に見えて汚い水をピッカピカにすると高確率で水質(pH)の上下動が発生するので、ストレスで死んでしまうぞ!水換えはルーティンが大事だ。
アフリカンランプアイはpHの低い水質を好みます。(pHが低いというのは弱酸性寄りのことを指します。)適したpHは6.5〜7.2なので砂利を敷いている環境だと流木や水草を多く入れて調整しないと実現は難しいです。ただ、ソイルを敷けば基本的に低いPHは実現できるので飼育はほぼソイル一択とも言えます。
PHを下げたい場合は流木やヤシャブシの実、フウの実、マジックリーフを入れるのが効果的。大きすぎる石を入れないのも工夫の1つだったりする。
アフリカンランプアイは急激な水質変化に弱く、水合わせを行わずに水槽に入れると病気になったり、そのまま死んでしまう場合があります。ショップからの持ち帰りでも通販でも、まずは水合わせが必要です。水合わせとは飼育環境とショップなどでの管理環境における水質をできるだけ合わせることを指します。
上記は特別な道具もいらない水合わせの簡易的な一例になります。PHをより正確に慎重に合わせストレスを軽減させたい場合は点滴法とってエアチューブを使って飼育水槽から購入した袋へ一滴ずつ水を送り込んで調和せる方法がおすすめです。
アフリカンランプアイはなんでも食べるため、餌には苦労しません。ただし、購入したてや成魚になっていないアフリカンランプアイは砕けやすいフレークすら食べることが難しい場合もあるため、できるだけ細分化してあげるた方が良いでしょう。特に小さい個体は餌を砕く工程を入れるだけで生存率がグッと引き上がります。
全ての熱帯魚に言えることですが、新しい環境に引っ越した魚は一時的に餌を食べなくなる事があります。対処方法としてはアカムシなら切ってあげる、フレークなら沈下させて攪拌(かくはん)させてあげるなどして興味を持ってもらうようにしましょう。
水槽内に同じくらいの大きさの魚がいる場合は真似をして直ぐに食べてくれることもあるよ!
アフリカンランプアイは導入してから1ヶ月以内にポツポツと死んでしまうことがあります。「水質環境に馴染めなかった」も原因に挙げられますが、病気だったもしくは事故死という場合も考えられます。よくお魚を観察し死なないように工夫していきましょう。
アフリカンランプアイはライトの点灯時や物音、他の魚に追いかけられる、何かにビックリした拍子などで水槽の外へ飛び出してしまうことがあります。水槽の蓋はできるだけ無くすように心がけましょう。1cm以上空いていると隙間から飛び出す確率は高いです。アクアフランジで隙間を無くすのもおすすめです。
アフリカンランプアイは比較的温和でサイズも小さいためエビとの混泳に向いています。ただ、稚エビや口に入るほどのチェリーシュリンプは知らぬ間に食べてしまうこともあるので小さい水槽での混泳には注意です。
3〜4cm程度のカラシン系(テトラ)やラスボラ系なら問題なく混泳が可能です。アフリカンランプアイの数が少ないと萎縮してしまうので小さい水槽なら5匹以上から入れてあげるのが良いでしょう。アフリカンランプアイよりも大きい魚や気象の荒い魚と混泳させると給餌の時などにヒレを齧られてしまう場合あるので注意しましょう。
アフリカンランプアイは卵生メダカの仲間とあって繁殖をさせやすい魚です。混泳数の多い水槽だと卵が食べられてしまい繁殖ができないことがあります。したがって繁殖させたい場合はオスメスのペアを選んだ後、5〜6匹辺りに搾って別水槽で飼育するのが良いでしょう。
産卵方法はメダカと同じようにウィローモスなどの細かい水草を入れてあげるか産卵床を用意してあげましょう。エアーもしっかり添加してあげることで孵化率をあげることができます。順調にいけば3日〜5日ほどで稚魚が生まれます。
稚魚は小さすぎるためブラインシュリンプを与えるようにしましょう。ブラインシュリンプは稚魚向けの餌用プランクトン。与えるにはブラインシュリンプを孵化させる段取りがあります。
アフリカンランプアイは飼育難易度が低いように見えますが、基本を抑えないとダメということは伝わったでしょうか。と言ってもどのお魚も似たような飼育方法なので初めての生体飼育でない限りは心配する必要もありませんね。
アフリカンランプアイは短めな寿命なので約2年ほどで、どれだけ満足に育てられたか、さらにはもっと長生きさせられたかを感じつつ試行錯誤しながら育ててあげて欲しいものです。アフリカンランプアイという品種は単価が熱帯魚の中でも1〜2番を争う安さなので水槽に空きがあれば是非育成に挑戦してみてください。
アフリカンランプアイは低価格で大量に購入できるメリットがあるため、大型水槽に100匹近く入れることも難しくありません。ネオンテトラなどと群生させたいと思ってしまいますが、ほぼワンポイントとも言えるメタリックブルーを強調させるならアフリカンランプアイだけで群生させる方がレイアウトの締りは良いでしょう。