小型水槽(20cm水槽)の立ち上げ手順|簡単レイアウト方法
小型水槽(20cmキューブ水槽)を使った水草水槽の立ち上げから完成までを記録した記事になります。どんな道具を使っているのか、CO2添加量はどれくらいなのかなども紹介しているのでこれから20cm水槽を立ち上げようと思っている人は一つの事例として参考にご覧ください。
小型水槽(20cm水槽)レイアウトの概要
20cmキューブ水槽のスペック | |
水槽スペック | 20cm×20m×20cm |
ソイルなど砂底 | プラチナソイル |
フィルター | コトブキ工芸 ミニフィットフィルターMF |
照明器具 | 水作ライトアップ300 |
光量 | 588lm |
点灯時間 | 6時間 |
CO2 | 3秒1滴 |
換水頻度 | 30% / 1週 |
レイアウトに使用した水草
小型水槽で育てやすい水草 | ||
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ニューラージパールグラス | ||
育成難度 | ||
小さな丸い葉が特徴的な代表的な下草。初心者でも育てやすく、水草の絨毯を作りたい人は手堅く育てられるのでおすすめ。しだれ状態にできるなどレイアウト幅が広い。 | ||
キューバパールグラス | ||
育成難度 | ||
ニューラージパールグラスに酷似しているが、キューバの方がとても小さい。絨毯化するときめ細かい葉が魅力的に見える。成長速度は遅め。 |
初心者から上級者まで愛される前景草のニューラージパールグラス、キューバパールグラスの2種類だけ使用しています。どちらも前景草ですが、葉の大きさが異なるため、下段と上段で雰囲気がかわればと思ってのチョイスです。同水質でも色合いが異なるのも特徴の一つと言えますね。
どちらもタフネスがありガサツな環境でもしっかり育ってくれます。ただ、キューバパールグラスはCO2がないと育てるのが難儀なのでCO2は添加しています。
小型水槽の立ち上げにかかった費用
水草 | 組織培養×2 | 1800円 |
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流木 | 気孔石 | 600円 |
ソイル | プラチナソイル1L | 470円 |
フィルター | コトブキ工芸 ミニフィットフィルターMF | 870円 |
ヒーター | プリセット オートヒーター 20 | 1500円 |
CO2 | クリスタルアクア CO2レギュレーター | 8190円 |
CO2 | ボンベ64g | 600円 |
総額費用 | 14,030円 |
CO2はレギュレーターを使用していますが、ペットボトルとイースト菌、砂糖、水の組み合わせでも発酵式CO2添加が行えます。ランニングコストが激安なので試してみても良いかもしれません。作り方は以下で紹介しています。
小型水槽(20cmキューブ)に使用したもの
小型水槽レイアウトに使用したもの
気孔石
気孔石が余っていたのでチョイス。これくらいの量であればカミハタの気孔石BOXで揃えることが可能です。500円前後で買えるので素材としてリーズナブル。ニューラージパールグラスはモコモコしやすく素材を消してしまうのでできるだけ大きい石を使った方が良いです
コトブキ工芸ミニフィットフィルターMF
フィルターはコトブキ工芸のミニフィットフィルターMF。おそらく小型水槽向けで最小かもしれません。モーターが水槽外なので小型水槽の中を圧迫しない特徴を持ちます。濾過能力と水流の強さはベスト。20cm以下水槽なら間違いなくコレを選ぶべき。
キューバパールグラス
ショップで買ったキューバパールグラスを放置しすぎた結果がこちら。かなり枯れており、根のほとんどがぐちょぐちょ状態。植える量が減ってしまうことに加え、成長までのハンディが大きかったです。スイッチが入るまで時間を有しました。
ニューラージパーグラス
実は今回使用したニューラージパールグラスは他の水槽からトリミングで出た廃棄物。育つかどうかは試してみないと分からんということで根っこがない状態ですが植えてみました。結果的にはなんら問題なく成長しました。
小型水槽の立ち上げ手順
ソイルと石を組み合わせて傾斜を作る
低床は平坦に、右奥は傾斜をつけるようにしてみました。手前部分に石をもっと置かないと徐々にソイルが雪崩れてしまい傾斜そのものがなくなってしまいます。上は理想型ですが、実際に注水をして管理するとこのような傾斜はほぼほぼ無くなりますね。自身で思う以上に堰き止めする意識のもと石を配置する必要があります。
ヒーターは埋めちゃう
本来ヒーターはソイルに埋めるのは良くありませんが、レイアウトの自由度が下がることもあり、今回は埋めてしまいました。割と使われる手法ですが、製品の使い方としては推奨していません。ちなみにちゃんと作動して水温が維持することができます。
ソイル全体を湿らせてから植栽
カラッカラの状態で水草を植えることはできません。また、ある程度ソイルを湿らすことでソイル同士の隙間を埋めることができ、分量の調整がしやすくなります。この時点でソイルが思ったより少ないなとなることもあるので足していきます。
植え終わったら注水
今回はミスト管理などはしないのでゆっくり注水していきます。20cm以下の水槽は注水する際にソイルを巻き上げてしまうなどの不都合が生じがち。そんな時は石に水を当てるもしくは、水槽の蓋を注水受け皿として注水するとソイルや水草を巻き上げずに済みます。是非お試しあれ。
CO2添加・バクテリア剤を導入
生体を諸段階で入れる想定ではないですが、バイコム(バクテリア剤)を添加。CO2は3秒に1滴程度の添加としています。立ち上げからしばらくは油膜が発生しやすいので適度に水換えをしながら除去していきます。特別騒ぐ必要はないので、落ち着くまで長い目で見て管理していきます。
小型水槽の立ち上げから完成までのログ
17日経過でだいぶ成長
17日目には上段のニューラージパールグラスがかなり成長し、垂れ下がるほどに。ただ、山のようになっていたソイルは徐々に埋もれていき、平坦な形になってしまいました。油膜が出なくなったことも踏まえ、チェリーシュリンプを導入。実は茶ゴケなどがポツポツ出ていたのですが、チェリーシュリンプで対応できてしまいました。
水草が成長し、酸素を発生させていることから酸素濃度などのバランスが取れて水質が落ち着いたのかな?とも考えています。(この水槽は夜間エアーレーションをしていないので)
22日経過で絨毯化に迫る
さらに5日後の姿。「たった5日でここまで水草は広がるのか」と思うかもしれませんが、スイッチが入った状態の彼らは凄まじい成長速度を見せてくれます。キューバパールグラスは横に広がりつつも、一部で山盛りになってしまうのでこの段階でも形を整えるためにトリミングを行います。
30日~49日は大きな変化がない
30日後と49日の比較画像です。トリミングも加わっているため、キューバパールグラスの背丈は若干低いですが、よく見るとソイルの見える量が違うのがわかると思います。ニューラージパールグラスに関しては手をつけていないのでさらに山盛りに。完全な絨毯化するにはまだ時間掛そうです。
65日経過で水草絨毯が完成
65日目で低床を全てキューバパールグラスが覆いかぶさってくれました。若干怪しいところがありつつ、凸凹になっていますが、トリミングで調整すれば完成といったところ。
初日と絨毯化の比較
この状態を完成と呼ぶべきかというところはありますが、一旦成長しきった姿の比較になります。水草をびっしり埋めるのにはおおよそ60日〜70日で済むということが分かりました。ちなみに液肥などの添加は行っていないため、ちょっと緑が薄いですね。
145日後の様子
さらに78日後の様子。ニューラージパールグラスの生命力は強く、ソイルがない場所でもぐんぐん伸びていく。もはや絨毯ではなくカーテン化する始末。フィルターが見えないが、もちろんフィルターも稼働しており、まさに緑の世界。
小型水槽(20cm水槽)立ち上げ手順まとめ
小型水槽のレイアウト作る際や管理で気をつけたのは以下の点
- 素材を大きすぎず、小さすぎない物を選ぶ
- ソイルを敷きすぎない
- CO2添加量は少なめにする
- ライト点灯時間を長すぎず
上記の点を考慮していけば今回紹介した小型水槽は誰でも作って管理できちゃいます。以下の記事では様々な水景作品の立ち上げや管理方法などを紹介しているので参考にご覧ください。