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黄色と黒の背ビレ/腹ビレと赤く染まる尾ビレ特徴的なカラシン科の熱帯魚プリステラ。水質にうるさくなく、丈夫で温厚なため、初心者でも混浴して飼いやすい熱帯魚です。成熟するまでは尾ヒレが赤く染まらないため、好みが別れる魚でもあります。この記事ではプリステラの育て方から繁殖の仕方まで紹介しています。
大きさ | 4〜4.5cm |
水質 | pH6.0〜7.5 |
硬度 | 2〜20 |
水温 | 22度〜28度 |
寿命 | 3年 |
学名 | Pristella maxillaris |
別名 | プリステラテトラ |
分類 | カラシン目・カラシン科 |
参考価格 | 160円〜 |
自然生息域はブラジル北部、アマゾン川下流、ガイアナ、ベネズエラの沿岸水域と言われています。流通している個体でワイルドはほとんどなく、ブリード個体である場合がほとんどです。
成熟したプリステラは赤い尾ヒレからグラスブラッドフィンに間違われることがあります。グラスブラッドフィンと比べると背ビレ/腹ビレに黄色と黒色の模様がないので見分けがつきますね。
また、背ビレ/腹ビレがレモンテトラと類似するため勘違いする方もいます。こちらも成熟すると尾ヒレが赤くなること、胴体部分は黄色くならないことから見分けがつくと思います。
プリステラは温厚な性格なため、混泳に適した魚です。ネオンテトラを飼育するくらいのスタンスで良いでしょう。雑食性のため、稚エビや稚魚は食べられる事があるので繁殖を狙いたい種がいる場合は別水槽を用意する必要があります。
上記は水合わせの簡易的な一例になります。PHをより正確に慎重に合わせストレスを軽減させたい場合は点滴法とってエアチューブを使って飼育水槽から購入した袋へ一滴ずつ水を送り込んで調和せる方法がおすすめです。
点滴法とは、エアチューブを利用して水を少しずつ加えていき、30分〜1時間ほどかけて水槽の水と購入時の水をチューニングする作業になります。先述したざっくりとした水合わせよりも魚にかかるストレスが少なく、病気の発病防止などに役立ちます。
まずは袋を開けずに水槽にそのまま浮かべて放置しましょう。袋の中身と水槽の水温を合わせるために行います。
季節によって温度差があると思いますが、購入してすぐに合わせるならおおよそ30分〜1時間ほど浮かべておけば大差ない温度になっているはずです。
購入時の袋が大きければ、水量も多いので水槽の中身を減らさないと溢れます。
水温を合わせたらバケツに袋の水と魚を入れます。冬場の場合は温度が水温が著しく落ちないようにヒーターを投入するのがおすすめです。(当たり前ですが水量とヒーターのサイズ等を間違えないように)
エアチューブを水槽に取り付け、その下にバケツを設置します。(水槽からバケツへはサイフォンの原理をしようします。)
点滴法をあまりにゆっくり時間をかけるととんでもない時間になってしまいます。長時間かけても大差ないため、30分〜1時間ほどが良いです。
終わったら網で生体を掬い飼育水槽へ移しましょう。
プリステラの色乗りが良い環境は流木の根や枝が多く配置されたレイアウトであることが多いです。弱酸性(低pH)を好むのでマジックリーフやヤシャブシの実などを加えると良いでしょう。
プリステラの体長は4.5cmと30cm未満の水槽ではやや大きく感じるサイズです。20cmキューブから30cmワイド水槽ぐらいのサイズ感ではプリステラのみで5匹程度が目安です。
プリステラは食にうるさくなく基本的に何でも食べてくれます。大食漢のため、餌をあげすぎると見窄らしい姿になってしまいます。エサのコントロールは必須です。
プリステラの繁殖は飼育下でも可能です。メスはオスよりも腹回りがかなり大きく見えます。繁殖を狙う場合はペアのプリステラを別水槽に移しましょう。繁殖用水槽はスポンジフィルターが良いです。
プリステラは粘着性の卵を水草や糸状の障害物などに産み付けます。ウィローモスなどの水草を繁殖用水槽に設置してあげると求愛行動を取り卵を産み付けてくれるでしょう。(糸状、テープ状の茂みを作れれば水草じゃなくても良い。)
プリステラの産卵は小さな餌を与えることで刺激させることができます。成熟したペアの産卵までは1〜2日と言われています。産卵後は水草などに卵が付着していることを確認できるので、確認後は水槽内を暗くしてあげましょう。
ヨーサックは魚のお腹に蓄えられた栄養素のことを指します。プリステラ孵化後から4日間ほどはヨーサックで過ごすので餌を与えなくて大丈夫です。
プリステラの稚魚が孵化後4日経過したタイミングでインフゾリアを中心に与えましょう。プリステラは急速に成長するので、1週間経過し体のサイズが1cmを超えたあたりから徐々に水槽の光を戻してあげるのが良いです。成魚になるまでは約7ヶ月ほどになります。
プリステラは白点病や尾ぐされ病を発症しやすいです。集団飼育することがほとんどなため、1匹の発症を確認した時点でまとめて薬浴できると理想的です。白点病の疑いがあれば水槽全体をアグテンに漬けるのも一つの手です。
プリステラはレモンテトラやグラスブラッドフィンといった種に似ている特徴を持った熱帯魚。人気としても先に述べた2種に軍配が当たるため、起用されることも少なめ。しかし、成熟したプリステラは魅力的で飼育もしやすいので是非アクアリウム初心者にもおすすめしたい魚です。