睡蓮鉢でのビオトープの作り方!必要なものや手順を紹介【初心者も簡単】
ビオトープを新しい趣味として考えている方必見!本記事では初心者でも簡単に作れるビオトープ作りの手順をまとめています。ビオトープに必要なものは?どんな水草や苔を使えば良い?ビオトープを作っていく手順を写真と動画で見たい!そんな方のご要望にお応えしていきますので参考にご覧ください。
監修:やすぴー | やすぴーchではビオトープや水草水槽、ミニパルダリウム、熱帯植物育成に関する動画を展開。オリジナル作品「9cmの世界」も配信中! |
---|---|
ビオトープとは?
ビオトープとは?
ビオトープは生物学で用いられる用語の一つで、意味は「生物の生息域を体現した環境」といった意味合いになり、その概念はドイツが発祥とのこと。土木工学では開発が進んで自然生物が住みづらくなった環境を再構築した環境をビオトープとも呼ぶなど呼称する概念も多岐に渡り広い。
身近なビオトープ
庭先にメダカなどの小魚が暮らす池を作る、鉢やトロ船で再現するのもビオトープと呼ぶ。最近のメダカブームで自宅の庭や玄関に睡蓮鉢を使って作るのもビオトープ。保育園や小学校の観察池作りなどもビオトープ。と、ビオトープは意外にも身近にあるのだ。
蚊対策にはメダカ飼育がおすすめ
水草だけのビオトープを作った場合夏場は蚊の温床になりがち。癒しがストレスに転じてしまうのも避けられないでしょう。そこで蚊を劇的に減らせる手段がメダカ飼育です。
メダカは蚊の幼虫であるボウフラを餌とするため、蚊が水辺に卵を産み落とす→ボウフラになる→メダカが食べるを繰り返すことによって蚊の発生自体を減らせるというもの。メダカがボウフラなどを食べて排出される糞は水草などの肥料になるので一石二鳥です。
ビオトープの作りに必要な道具
入れ物・容器はトロ舟や睡蓮鉢がおすすめ
ここでの使用は12Lの睡蓮鉢
ビオトープは床に穴が開いている物だと水が溜まらず水草や生体も育成ができません。底に穴が開いていない睡蓮鉢やトロ舟を選ぶようにしましょう。動画ではGEXの睡蓮鉢を使用しています。
赤玉土
赤玉土は土を焼いて固めたものになります。粒が大きい分、過剰な養分の吸着、水を浄化するバクテリアの繁殖床としても有効とのこと。土台には赤玉土(中粒)を使用し、水草を植える水上に近い部分は赤玉土(小粒)を使うのがベストです。
水草
ショートヘアグラス | グロッソスティグマ |
シラサギカツヤリ | ADA詫び草(有茎草MIX) |
ロタラロトンディフォリア | ゼニゴケ |
コツボゴケ | ウィーピングモス |
オーストラリアン・ヒデロコティレミニ | マメズタ |
手前に見えているのがADA詫び草(有茎草MIX)。置くだけで良いという手軽さなのでおすすめ。そのほかの水草はホームセンターやアクアショップに行くことで普通に売られているので手に入りやすいでしょう。水草は水中葉よりも水上葉として売られている物の方が扱いやすいです。
浮草
オオサンショウモ |
メダカを飼育する場合は浮草もあると隠れ家になったり、浮草の根に卵を産みつけてくれる場合があるので合わせて入れてみるのも良いでしょう。オオサンショウモ以外にはサルビニア・ククラータやアマゾンフロッグビットなどの浮草がおすすめです。
メダカ
メダカブームによりホームセンターやペットショップ、アクアショップ、道の駅など様々なところでメダカが販売されています。発色豊かな改良メダカを選ぶのも良いかもしれませんね。
睡蓮鉢でのビオトープの作り方手順
ビオトープ作りの土台を睡蓮鉢の中で作っていきます。使用する道具は赤玉土や石、流木が必要になります。赤玉土は大粒と小粒に分けて使用することで水草が植えやすくなります。
さて、土台が出来上がったら直ぐに水草を植えようと思っていませんか?植え直しなどを行なっていくと土台が崩れたり、ソイルが潰れて濁りが取れないなど問題が起きます。
まずはどのように配置するか?などをざっくり決めてから植栽する必要があります。必要に応じて小さな苔や水草を追加する必要性なども出てきます。
水草をだいたい植え終わったら注水作業に入ります。生体が入っていないなら、カルキ抜きをしていない状態で注水しても良いでしょう。
赤玉土などが舞い上がって濁らないように、手で受け皿を作るなど水流の強さは調節してください。生体を入れる場合は、数日は時間を空けたほうが良いです。
ビオトープに注水後、数日経つと徐々に濁りも取れ、水質が安定していきます。メダカなどを入れる場合はこのタイミングが良いでしょう。好みの生体を入れてあとは観察あるのみ。ゆったりとしたビオトープ管理を楽しみましょう。
睡蓮鉢でのビオトープの作り方詳細
土台作り
まずは赤玉土を睡蓮鉢に入れて簡単に洗っていきます。赤玉土は土を焼いて乾燥させたもの物で小さな土埃が付着していますのでそのまま使用はオススメしません。(普通に注水すると泥まみれになり濁りが取れなくなるほか、睡蓮鉢やトロ舟の水面の縁に土が付着して見栄えが悪くなることもあります。)
赤玉土を何回も洗ったり、ゴリゴリ洗うと赤玉土が崩れたり、潰れたりして永遠と濁ってしまうので、数回程度ざっくり洗うのが無難です。写真のように薄い濁り程度で十分でしょう。
植える場所と遊泳スペースを分ける
簡単な洗浄が済んだら植栽エリアと魚の泳ぐエリアを分けていきます。植栽エリアは水草を植え込む関係で少し盛り上がった状態にすると後に抜けてしまったりするトラブルを防ぐことができます。
植栽配置を考えよう
すぐには植えません!
まず植える場所、魚が泳ぐ場所を棲み分けたら、用意してある流木や水草、詫び草をどこに配置するか?を決めましょう。水草や詫び草についた土は動かしすぎると濁りの原因ともなります。
行き当たりばったりで植栽をするのではなく、最初にどの位置に置くとバランスが良いか?を決めてからの方が効率よく、かつドロドロになることはないでしょう。
また、睡蓮鉢に植栽していくうちに印象が変わってくることもあるので適宜レイアウトの微調整は行うと良いです。
植栽と流木を配置
流木に序盤で紹介したウィーピングモスなどの苔を流木に付着させるためにテラテープを巻き付けます。テラテープは水に浸すことで水中の水分を吸い上げる効果があるので、水上に出ている苔も乾燥させることを避けることができます。こちらも植栽の前に巻いておくのがベスト。後から流木を取り除くとなるとレイアウトが壊れてしまいますからね。
細かな土(赤玉土)を植栽エリアに盛る
赤玉土にさらに赤玉土かと思うかもしれませんが、小粒タイプの物を上にかぶせることで植え込みがしやすくなるほか、水草や詫び草が根づきやすいメリットがあります。
配置を微調整しながら睡蓮鉢に植栽
動画では次にロトンディフォリアを植えていきます。詫び草のポットが既に置かれていますが、ADA詫び草有茎MIXは置くだけで良いという利点があるので微調整は簡単。あえて置きながら進めることでバランスが見えるので良いでしょう。
作業を進めていくと不自然に感じる部分など出てくると思います。注水前であれば修正はしやすいのでガンガン修正をしていきましょう。動画でも流木の位置を変更し、グロッソスティグマを投入しています。
苔を使って隙間埋めや装飾を施す
植栽があらかた終わったタイミングでゼニゴケなどの苔を隙間に植えていきます。(植えるというよりも入れ込むという表現が正しいかもしれません)苔は半水中〜水上で上手く育てば土部分を覆いかぶさり、自然感を演出することができます。
動画では他のビオトープで使用していたウィーピングモスを置いています。茶色がかっていますが、気温が上がっていけば調子を取り戻すのでは?という推測で配置。ビオトープや水草水槽でも同じですが、植物が育つか育たないかその時折の環境や特性を見極めながら調整していくのも醍醐味ですね。
濁らないように注水
植栽がひと段落したらいよいよ注水です。バケツやホースで注水していくことになりますが、勢いよく水を入れるとレイアウトが崩れたり、濁りがひどくなってしまう場合があります。鉢の側面や手に当てて勢いを分散させて注水するのがおすすめ。
どんなに慎重に注水しても濁ることは避けられないので濁りが落ち着くまで放置しましょう。再利用した赤玉土など崩れた土壌でない限りは一晩〜1日程度で水が澄み切ることでしょう。1日も経てば土壌の全体に水分が行き渡り、重力で土の中の隙間も詰まっていくのでレイアウトも自然に馴染むはずです。
生体の導入
ビオトープといえば定番のメダカですかね。ちなみに生体はビオトープに注水後すぐに行わず、水質が落ち着いた段階(人によって目安は異なるが動画では2週間経過)で投入するのが良いでしょう。購入したばかりのメダカなどを入れる場合はビオトープの水質と購入時の袋の水を合わせる必要があります。
- 購入してきた袋を水に浮かべる。
- 袋に2〜3ヶ所穴を開けて導入する水槽に浮かべてさらに30分。(穴の空いた面を水中に)
- 袋にハサミを入れて先程よりも水が混ざるようにする。さらに30分放置。
- 最後に個体を水槽にうつし、袋の水は袋ごと取り除く。(気にならなければ水も入れて良い)
繁殖を楽しむのもおすすめ
メダカは自然繁殖がしやすいので、雄雌を入れて繁殖を狙ってみるのも良いかもしれません。メダカは水草の根などに卵を産みつけるのでオオサンショウモなどの浮草を入れるのも良いでしょう。(浮草はメダカの隠れ家になるのでおすすめ)
睡蓮鉢でのビオトープで作り方まとめ
如何だったでしょうか?本記事で紹介した睡蓮鉢を使ったビオトープ作りはやすぴーchで動画と動画としても見ることができます。どのようにレイアウトを作り込んでいくか、苔の特性なども解説しながら進んでいくのでより手元の動きが見たい方はぜひ動画を参考にご覧いただければと思います。
ビオトープ作りに必要な道具一覧
- 睡蓮鉢(入れ物)
- 赤玉土(中粒)
- 赤玉土(小粒)
- 流木
- 石
- 水草
睡蓮鉢の代わりは発泡スチロールやトロ舟を使うと良いでしょう。すぐに生き物を入れる場合はカルキ抜きを使いましょう。カルキ抜きは1日水をくみ置きした物を使うでも代用できます。
赤玉土は一種類でも作ることができますが、工程でも紹介したように中粒と小粒を分けて使用した方が植栽が非常に楽になります。
画像提供:やすぴーch
イラスト:アクアリウムを楽しもう