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水槽の硬度(GH)とは何かわかりやすく目安も解説

水槽の水質・硬度(GH)とは何かわかりやすく目安も解説

アクアリウムにおける硬度(GH)は水が硬いか柔らかいかを示す数値です。

硬度(GH)は生体や水草を上手に育てるために重要な要素になりますが、硬度(GH)を詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか。

硬度(GH)が魚や水草、エビに与える影響を理解しておかないと魚や水草をいつまでたっても上手に育てることができません。アクアリウムをこれからも楽しむのであれば硬度(GH)への理解は避けて通れません。

そこでこの記事では硬度(GH)について知っておくべき4つのポイントを始め、硬度(GH)を下げる方法、上げる方法について解説します。

目次

水槽の硬度(GH)とは

水槽で使用される硬度(GH)とは、カルシウムとマグネシウムの総量を数値化したものになります。

硬度(GH)が高いものほど硬水であり、低いものほど軟水と表現します。日本の水道水の多くは40mg〜80mgの間におさまるため、軟水であることが多いです。しかし、一部地域によっては水道水の硬度(GH)が100mgを超えるため、中硬水である場合があります。

硬度(GH)の目安と硬水の基準

硬度(GH)のレベルにも目安があり、日本の水道水はおおむね硬水〜中硬水です。海外では1,000mgを超える水も存在します。

硬度60mg以下軟水
硬度120mg未満中硬水
硬度120mg以上 硬水
硬度180mg以上超硬水

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硬度(GH)が魚に与える影響

硬度が魚に与える影響

南米の熱帯魚は地域によって超軟水、軟水に生息します。そのため、硬度(GH)の高い水質を好まないことがあります。一方で日本で繁殖が盛んな金魚やメダカは硬度(GH)が高くても問題なく育てることができます。

人も同じように「硬水を飲むと胃腸が整う人」、「硬水を飲むとお腹を下す人」がいるように良好な状態にするために硬度(GH)を合わせることが大切です。

したがって、硬度(GH)が高いから良い、硬度(GH)が低いから良いということではありません。飼育する魚の生息する地域の硬度(GH)を知り、調整することが求められます。

水槽の硬度(GH)目安

°dH(Grad deutscher Härte)はドイツの硬度表記です。アクアリウムで使われる水質検査キット(セラジャパン商品)°dHです。mg/Lは日本の水道局で使われる表記になります。dH=17.8mgとされています。

魚の品種日本表記ドイツ表記
金魚178mg〜356mg10dH〜20dH
メダカ52.8mg〜178mg3dH〜10dH
南米系の魚 106mg〜142mg5dH〜8dH
アジア系の魚178mg〜356mg10dH〜20dH

硬度(GH)が水草に与える影響

硬度が水草に与える影響

硬度(GH)が魚に与える影響でも解説したように水草にも硬度(GH)が高い方が育つ品種と硬度(GH)が低い方が育つ品種が存在します。

例えば、パールグラスポゴステモンヘルフェリーなどは育つスイッチが入るまでに硬度(GH)が求められることがあります。逆にグロッソスティグマボルビティスヒュッデロイなどの水草は低い硬度(GH)が求められます。

以上のように品種によって合う合わないがありますが、ネイチャーアクアリウムで起用される水草の多くは硬度(GH)の低い軟水が求められるので一般的には硬度(GH)が低い方が育つと言われます。

また、硬度(GH)を求める水草でも高すぎると育たないケースがあり、育つ硬度(GH)の中間値を見極めることが大切です。

硬度(GH)がシュリンプに与える影響

ビーシュリンプと高度の関係

硬度(GH)にはカルシウムやミネラルが含まれており、極端に硬度(GH)が低い水槽では脱皮に必要なミネラル分が不足し、脱皮不全で死んでしまうことがあります。

ビーシュリンプを始めとするエビの飼育は軟水でも問題ありませんが、繁殖をさせたいときはミネラルが不足すると稚エビが育たないということに繋がりかねません。

シラクラシュリンプミネラルCa+といった栄養補給要素も交えながら飼育することで飼育と繁殖を楽しむことができます。

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PHと硬度(GH)の関係

PHとGHの関係

PH、KH、GHは水槽の水質管理をする上で知っておきたい要素です。PHとGHはそれぞれ役目と性質がちがいます。

PHと硬度(GH)は全くの別物ですが、硬度(GH)が高い水はPHが高い傾向にあります。逆に硬度(GH)の低い水はPHが低い傾向にあります。

例えば、南米の熱帯魚が棲む水質の多くは、ブラックウォーターと呼ばれる弱酸性の水質でPHが低いことで知られています。そして硬度(GH)が低い傾向にあります。

家の水槽で試してみても分かりますが、龍王石といった水槽内の硬度(GH)を上昇させるレイアウト素材を使用しているときもPHの値が高めにでることがあります。硬度(GH)とPHの差が分かるデータについては「サンゴ苔の発生原因を検証」でも公開しているのでそちらを参照下さい。

硬度(GH)の下げ方

ソイルを使用する

ソイルは土を固めて焼いたものになります。ソイルはカルシウムやミネラルを吸着してくれるので硬度(GH)が一時的に下がります。

ソイルのわずかな空洞に蓄積するとそれ以上吸着することができなくなるため、3ヶ月〜6ヶ月ほど経過すると高度に変化が起きません。また、多くの石を入れている場合でも下がらないことがあります。

ソイルの種類には栄養が詰まったものと不純物を吸着することに特化したものがあります。JUNプラチナソイルは吸着性に特化しており、どこのショップにも置かれているのでおすすめです。

硬度(GH)を下げる濾過材を使用する

硬度(GH)を下げる濾材にはいくつか種類があります。各メーカーで販売しているゼオライトやウォーターエンジニア社が販売しているリバース・グレイン ソフト、ADAやGEXが販売しているカチオンバッグなどが有効です。

中でもゼオライトやリバースグレインソフトは回収しやすい状態にすれば水槽内にそのまま入れても効果があります。カチオンバッグは周辺が色づいてしまうことがあるので、フィルターに入れるようにすることをおすすめします。

浄水器を使用する

出典:ADA NAウォーター

ADA社が販売するアクアリウム用の軟水浄水器、NAウォーターには水道水の硬度(GH)を取り除いて軟水化するカチオンフィルターがあります。

カチオンフィルターを使用するためにNAウォーターという浄水器を購入しなければなりませんが、水道水を確実に軟水化したい人や地域の水道水の硬度(GH)が高すぎて濾材では追いつかないときにおすすめです。

硬度(GH)の上げ方

サンゴ砂を入れる

サンゴ砂は水質を弱アルカリ性に傾けてさらに硬度(GH)も上げることができます。水草との相性は良くありません。

硬度(GH)の上がる石を入れる

龍王石を使ったレイアウト

龍王石(青華石)溶岩石を入れることで硬度(GH)の上昇がねらえます。ただし、気孔石木化石は硬度(GH)が上がらない傾向があります。石の全てが硬度上昇を引き起こすわけではないことを覚えておいた方がよいです。

硬度(GH)の測り方

セラジャパンのGHテストを使用

硬度(GH)を測る方法の1つはセラジャパンから販売されているGHテスト(総硬度試液)です。

試液の色は赤色で、計測できるGHに合わせて色が黄緑色へと変化していきます。例えば、1滴入れて色が変化したなら1GH、2滴入れて色が変化したなら2GHとなります。

1滴あたり1GH(17.8mg)が計測できるものなので細かい測定はできませんが、硬度(GH)を知る目安としては手軽かつ正確なので、アクアリウムを楽しむ人にとっては最もおすすめの商品です。

テトラ社からもGH試液が販売されていましたが、現在販売が停止しており、流通していません(KH試液は販売中です)。

テトラテスト6in1を使用

リトマス紙のように測定紙に水をつけて反応した色でGHを測定するものです。

6in1は硬度(GH)の他にPH、KH、co2、硝酸塩、亜硝酸塩も測定が可能です。テトラテスト6in1は専用のスマホアプリがあり、計測したデータを水槽別に保存しておく便利な機能があります。

しかし、測定紙の撮影をする時に部屋の照明やスマホカメラの性能で色に変化が出てしまうので正確性に欠けるデメリットがあります。

とはいえ、あくまで目安として知りたい人には全ての数値を網羅できるのでおすすめの測定グッズと言えます。詳しくは「テトラテスト6in1の使い方」をご覧下さい。

硬度(GH)によくある質問

水槽の硬度を下げる方法は?

水槽の硬度を下げるには水中内のカルシウムやミネラルを取り除く必要があります。取り除く方法としては吸着性ソイルを使用する、ゼオライトやカチオンなどの濾材を使用する、浄水器を使用して換水するといった方法が挙げられます。もっと詳しく知りたい方は「水槽の硬度を下げる方法」をご覧ください。

水草や魚に最適な硬度は?

熱帯魚と相性が良く、水草水槽で起用される水草の多くは低い硬度を好む傾向にあります。しかし、パールグラスやポゴステモンヘルフェリーなど一部の水草は硬度が低すぎると育たないことがあります。水草や魚にも硬度が合う合わないがあるため、一口に低ければ良いというわけではありません。詳しくは「硬度が生体にもたらす影響」をご確認ください。

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