【藍藻駆除】1Lあたりのオキシドールの量と入れすぎた時の対処方法
オキシドールは水草や魚に安全か
添加する量を守れば安全
オキシドールは医療用の外用消毒剤として利用される2.5~3.5%過酸化水素水です。濃度が低い過酸化水素水は放っておくと水と酸素に分解されます。したがって、残留する心配がありません。
ただし、いきなり多量のオキシドールを入れれば水草は枯れて、魚も死亡するリスクがあります。これは水槽用品であるアンチグリーンやテトラコケブロックでも同じことが言えます。
シュリンプへの影響はない
実際にヤマトヌマエビやチェリーシュリンプのいる水槽にオキシドールを2週間添加し続けましたが影響はありませんでした。稚エビへの害も確認していません。ただし、シュリンプがすぐ近くにいる時に直接かかるような添加の仕方をすることは念の為避けた方が良さそうです。
熱帯魚やメダカなどへの影響はない
実際にメダカがいる水槽や、熱帯魚のいる水槽にオキシドールを2週間添加し続けましたが影響はありませんでした。メダカ水槽においては産卵にも影響はありませんでした。
もし、オキシドールを入れ過ぎてしまったときは水質変化によって魚に影響が出る場合があります。そのときは70%の水換えをするようにしましょう。
水草はかけ過ぎると枯れることがある
水草はオキシドールに強い品種と弱い品種がいます。
根っこがないような、リシアやウィローモスといった苔類はオキシドールを直接かけてしまうと白化したり、枯れてしまうことがあります。
また、ショートヘアーグラスといった葉が細いタイプにも直接オキシドールをかけると、付着しているコケ(藻類)と一緒に白化してしまうことがあります。
一方でグロッソスティグマやブセファランドラ、ハイグロフィラピンナティフィダといった根がしっかり広がり、葉っぱも極端に細くないタイプはオキシドールによって白化したり、溶けたりすることはありません。
もし、丈夫そうな水草でも影響が出ている場合はオキシドールを入れ過ぎていると考えた方が良いです。
オキシドールで実害が出る水草
根っこのない水草
モス系などの根がない水草や葉が細めの水草に直接噴射すると高確率で枯れる場合があります。ただ、元気に生い茂っているような状態であれば影響はほぼありません。オキシドールを使用して特に影響が出た水草はこちら。
影響が出やすい水草一例
オキシドールは微量でもリシアなどの根がないタイプの水草にはダメージを与えます。すぐに添加を中止してもしばらくは白化が進行してしまいます。繰り返しの水換えとトリミングで蘇生を狙えますが、あまりに枯れるスピードが早い場合は復活させることは難しいです。
リシアのある水槽では、リシアを取り除いてから添加するようにしましょう。
オキシドールで駆除効果があるコケ(藻類)
藍藻
オキシドールを添加してから約2週間で消滅することができました。オキシドールをただ添加するだけでなく、周辺の水換えも同時に行うと有効的。再発が不安な人は約1ヶ月様子見で続けると良いでしょう。オキドールに対しては特に効果的でスネールを加えることができない水槽などでは除去に大きく貢献してくれます。
アオミドロ/糸状コケ
フワフワと漂うため、狙い撃ちこそ難しいですが、1週間ほど経つと水草への絡みが減りホースで吸い取りやすくなりました。藍藻と同じく定期的な水換えや歯ブラシによる採取を行うことで完全除去が行えます。
ヒゲ苔(黒髭コケ含む)
ヒゲ苔は塊になっているのでスポイトなどで狙い撃ちしやすいです。掛けた直後から酸化が始まり、個体によっては数分で真っ白になります。
真っ白になったヒゲ苔はサイアミーズフライングフォックスやヤマトヌマエビなどが食べてくれます。ヒゲ苔は水槽に添加して対応するより直接かけた方が効果的です。
スポット苔
ガラスや機材に付着する苔は直接かけると効果的。1〜2日もすると緑色のコケが茶色く変色し枯れます。自然に剥がれることはないので、スポット苔に関してはメラニンスポンジでの除去が良いでしょう。
サンゴ苔(珊瑚苔)
サンゴ苔は硬度が高い場合に現れやすい黒髭ゴケよりも除去するのに厄介な藻。カワモズクとも呼ばれ触るとヌメリがあるのが特徴です。非常にタフであり、オキシドールをかけてもあまり効果はありません。
2週間に渡りオキシドールをかけ続けることで弱体化し、エビもつまむことが確認できていますがオキシドールに頼るより水質を軟水化させた方が除去は早いです。
スネールには利く?
苔がこんなに落とせるなら、水槽の害悪の一種「スネール」にも…。なんて思って直接かけてみましたが、致命的なダメージを与えることはできませんでした。
水槽でオキシドールを使う方法
1Lに対して0.25mlを使う
オキシドールを都度3ml添加する動画などありますが、水槽によってはオキシドールを入れすぎると生体や水草の生死に関わります。
オキシドールを利用してコケを除去してきた経験上、1L辺りに対して0.25ml使用するのがベストでした。
オキシドールによって白化や溶けてしまうことを避けたい水草がある場合は、直接オキシドールを添加をせず、水に混ぜるイメージで添加するのがおすすめです。
水槽別オキシドール用量早見表
水槽タイプ | 水量目安 | 添加量 |
---|---|---|
20cmキューブ | 8L | 2ml |
30×20×26 | 13L | 3.25ml |
30cmキューブ | 24L | 6ml |
60cmスリム | 26L | 6.25ml |
45×27×30 | 48L | 12ml |
60×30 | 58L | 14.5ml |
用量はソイルの分などもありますので、水量はこれより少なく見積りましょう。アクアショップや100円ショップで0.1mlずつ測れるスポイトは売っています。
最初の3日間は入れる量が変わる
1日〜3日目の間で量を増やしていきます。
4日以降は3日目と同じ量で添加していきます。
1日目 | オキシドール5ml添加 |
---|---|
2日目 | オキシドール10ml添加 |
3日目 | オキシドール15ml添加 |
4日目 | オキシドール15ml添加 |
といったように初日に対して最大3倍の量を添加するといった感じになります。もちろん、生体に影響がある場合は直ちにやめましょう。
オキシドール添加の実際の流れ
1日目 | オキシドール5ml添加 |
---|---|
2日目 | オキシドール10ml添加 |
3日目 | オキシドール15ml添加 |
4日目 | オキシドール15ml添加 |
5日目 | 水を1/3入れ替えるこの時コケや分を吸い出すように心がける (水を入れ替えた後に15ml添加する) |
6日目 | オキシドール15ml添加 |
7日目 | オキシドール15ml添加 |
8日目 | 水を1/3入れ替えるこの時コケや分を吸い出すように心がける (水を入れ替えた後に15ml添加する) |
9日目 | 様子を見て必要であれば添加を続ける |
藍藻など局所的に狙える部分は積極的に当てていくと滅は早いようです。筆者は2週間保険も兼ねて添加し続けましたが、目立つ苔はなくなりました。あとは日々の水換えとエビなどに食べてもらおうと考え添加をやめました。
添加を辞める際は直ぐに水換えせず、自身の水換えルーティンに合わせて変えるのが良いでしょう。
オキシドールを入れすぎた時の対処方法
70%の水換えをする
オキシドールを入れすぎてしまった時は、すぐに水換えをするようにしましょう。また、水の量も念のため、半分以上(70%程)入れ替えた方が良いです。
生体への影響は少ないですが、オキシドールを入れすぎた時にすぐ対処しないと、数日後に水草が急に溶け始めたり、穴が開く、白化するといった現象が起きることがあります。
水草が溶けたり、穴が空いたり、白化が始まれば、トリミングによる進行の食い止めくらいしかできることがなくなります。
やばい!入れすぎたと思ったときは今までの過程を無視して水を一気に入れ替えましょう。
オキシドールによるコケ(藻類)駆除にかかる費用
オキシドールは100mlあたり130円ほど
オキシドールは税込で120〜130円ほどで薬局に売られています。ケガ、サポーターコーナー、除菌グッズが並ぶところに置いてあります。60cm水槽(57L)では100mlを2〜3本くらいで満足する効果が得ることができます。
500mlと100mlが売られていますが、100mlだと45cm以上の水槽では足りなくなる可能性が高いので、中型以上の水槽を管理している人は500mlの方を買う方がおすすめです。
アンチグリーンはアクアショップによっては売られていないケースも多いです。節約したい人、近場で買い物を済ませたい人はオキシドールがオススメですので、用量を守って実施してみてください。
水槽へのオキシドール添加によくある質問
- ゼオライトなどを使っていたら効果は落ちる?何か影響は?
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どこまで吸収力があるかは数値的な回答はできませんが、ゼオライトと併用しても問題なく苔にダメージを与えられることは確認できています。添加量を増やすと水草や生体に影響が出る場合があるので「水槽別オキシドール用量早見表」で紹介した容量で使用するのを推奨します。
- APT FIXとオキシドールどちらがおすすめ?
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どちらも使用したことがありますがオキシドールよりもAPT FIXの方が効果が高いことを検証しています。しかし、APT FIXは効能が高い分、水草や生体に対する影響が大きかったです。オキシドールが水槽にもたらす影響については「オキシドールの安全性」で解説しています。