


アカヒレは水温10度でも生きることができる丈夫な淡水魚なため、野外で冬を越すこともできると言われています。肉食魚の餌用として安く販売される反面、繁殖期を迎えた雄のアカヒレは見応えがあり観賞魚としても捨てがたい一面があります。水質にうるさくないのでアクアリウム初心者でも育てやすくネオンテトラ並に人気ある熱帯魚。そんなアカヒレの育て方を始め繁殖方法をまとめています。
アカヒレの基本情報 | |
学名 | Tanichthys albonubes |
科目 | コイ科/コイ目 |
大きさ | 3〜4cm |
水質 | pH6.0~8.5 |
硬度 | 5~20 |
水温 | 14度〜22度 |
別名 | ホワイトクラウドマウテンミノー コッピー プアマンズネオン |
アカヒレは価格の安さと耐久性の高さから初心者入門の熱帯魚として取り上げられることが多いです。これは間違っていないですが、丈夫で楽。というニュアンスからあまり世話をしなくても飼育できると誤認する方が多いです。水質悪化や急激な水質変化には弱く、ポツポツと姿が見えなくなる(死んでしまう)という事はよくあります。充分な濾過環境と週1の水換えなどのルーティンは必要です。
目に見えて汚い水をピッカピカにすると高確率で水質(pH)の上下動が発生するので、ストレスで死んでしまうぞ!水換えはルーティンが大事だ。
アカヒレはかなり幅広い水質(pH6.0〜8.5)に対応できるため、砂利を敷いたレイアウト、ソイルを敷いたレイアウトと特に選びません。ただ、石ばかりだと高PHになりやすいのでソイルを敷くか流木を入れるなどして工夫してあげるのが良いかもしれません。
水質に鈍感なアカヒレといえど急激な水質変化に弱く、水合わせを行わずに水槽に入れると病気になったり、そのまま死んでしまう場合があります。
一番安全に移し替える方法は点滴法による水合わせですが、初心者にはちょっと面倒。上記の内容なら特別な道具も必要ないので誰でも実践することが可能です。時間の許す限りゆっくりと合わせてあげましょう。
アカヒレはなんでも食べるため、餌には苦労しません。ただし、購入したてや成魚になっていないアカヒレは砕けやすいフレークすら食べることが難しい場合もあるため、できるだけ細分化してあげるた方が良いでしょう。特に小さい個体は餌を砕く工程を入れるだけで生存率がグッと引き上がります。
全ての熱帯魚に言えることですが、新しい環境に引っ越した魚は一時的に餌を食べなくなる事があります。対処方法としてはアカムシなら切ってあげる、フレークなら沈下させて攪拌(かくはん)させてあげるなどして興味を持ってもらうようにしましょう。
水槽内に同じくらいの大きさの魚がいる場合は真似をして直ぐに食べてくれることもあるよ!
アカヒレは丈夫といえど、導入してから1ヶ月以内にポツポツと死んでしまうことがあります。「水質環境に馴染めなかった」も原因に挙げられますが、病気だったもしくは事故死という場合も考えられます。よくお魚を観察し死なないように工夫していきましょう。
白点病 |
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見た目は身体に白い点が増えていく病気です。寄生虫が原因で水槽内の魚への繁殖力は強いです。導入時に合わせて水槽内に唐辛子を入れておくと初期治療や予防ができ、水草にも影響がないためおすすめ。気になる場合はヒコサンZやアグテン、メチレンブルーで1週間別水槽で薬浴してから水槽に加えるのが最も安全。 |
尾ぐされ病 |
ヒレがバサバサとボロボロになっていく病気。魚の風邪とも言われるくらい発症しやすい病気でもあります。塩浴をすると悪化するので注意。適度な水換えをしつつ放置しておいても治りますが、気になるようなら隔離水槽でヒコサンZなどを使って薬浴しましょう。 |
アカヒレはライトの点灯時や物音、他の魚に追いかけられる、何かにビックリした拍子などで水槽の外へ飛び出してしまうことがあります。水槽の蓋はできるだけ無くすように心がけましょう。1cm以上空いていると隙間から飛び出す確率は高いです。
アカヒレは温和でサイズも小さいためエビとの混泳に向いています。ただ、稚エビや口に入るほどのチェリーシュリンプは知らぬ間に食べてしまうこともあるので小さい水槽での混泳には注意です。
3〜4cm程度のカラシン系(テトラ)やラスボラ系なら問題なく混泳が可能です。アカヒレの数が少ないと萎縮してしまうので小さい水槽なら5匹以上から入れてあげるのが良いでしょう。