


オトシンクルスは小型ナマズの仲間でコケ取り生体として初心者からでも育てることができるため、非常にポピュラーな魚です。温厚で他の魚に干渉しないため、混泳としても抜群。むしろ温厚すぎて逆にいじめられることの方が多い魚とも言えます。そんなオトシンクルスの餌、死因、環境など育てる上で必要な情報を本記事でまとめていますので参考にご覧ください。
オトシンクルスの情報 | |
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分類 | ナマズ目 ロリカリア科 |
学名 | Otocinclus sp |
種類 | ヴェスティタス ヴィッタートゥス アフィニス |
分布 | ペルー ブラジル コロンビア |
大きさ | 3〜4cm(最大5cm前後) |
寿命 | 3年〜5年 |
育成難易度 | |
温度 | 20〜26度 |
水質 | 5.5〜7.5 |
硬度 | 1〜8 |
繁殖 | 壁や障害物に産卵 |
参考価格 | 150円〜 |
オトシンクルスは腹鰭を使って水草を掴んだりして体を休めます。休んでいる時の姿は不安定な状態が面白く愛らしいですよ。とても平和的な魚で混泳によって生体や水草に害を与えることがなく導入しやすいです。
オトシンクルスは小型ナマズの仲間で、オトシンクルスの中にも多くの種類で分類されています。一般的にオトシンクルスとして販売されている品種はヴィッタートゥスであることが多いです。
温厚かつ小型なため、水槽に入れても存在感が薄いので大きさによっては3匹以上入れても物足りなさを感じる場合も。
茶ゴケや水カビといった壁に付着する苔をよく食べます。しかし、スポット状の苔や糸状の苔などはほとんど食べることはありません。食べているのでしょうが、目に見えるほど食べることは無いのでコケ取り性能としてのランクは低いです。
コケ除去の生体としてではなく、コケ予防として投入するのが良いでしょう。コケ取りとして性能が高いプレコとして、オトシンネグロやアルビノミニブッシープレコがいます。主に茶ゴケの除去に非常に役立ちます。
コケ取りで入れる目安 | |
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30cm水槽 | 3匹 |
45cm水槽 | 3匹〜5匹 |
60cm水槽 | 3匹〜10匹 |
オトシンクルスはpHの低い水質を好みます。(pHが低いというのは弱酸性寄りのことを指します。)適したpHは5.5〜7.5なので砂利を敷いている環境だと流木や水草を多く入れて調整しないと難しいかもしれません。
ただ、ソイルを敷けば基本的に低いPHは実現できるので飼育はほぼソイル一択とも言えます。ソイルは有機物なため、タマミジンコなどの生体も発生しやすいので、そのままオトシンクルスの栄養源となることもあり一石二鳥です。
ショップから迎え入れた生体は急激な水質変化に弱く、水合わせを行わずに水槽に入れると病気になったり、そのまま死んでしまう場合があります。簡単な水合わせは最低限行いPHショックが起こらないようにしましょう。
一番安全に移し替える方法は点滴法による水合わせですが、初心者にはちょっと面倒。上記の内容なら特別な道具も必要ないので誰でも実践することが可能です。時間の許す限りゆっくりと合わせてあげましょう。
オトシンクルスは水槽内の食べカスやガラス面についたコケなどを食べるため、特別餌を与えなくても十分に育ちます。柔らかい茶ゴケは特に食べる傾向が強く、茶ゴケ処理生体としても好まれます。
水槽を立ち上げたばかりの時は餌がなく、餓死してしまう恐れがあるので導入する場合はコケが発生した時などにするのがベスト。単にオトシンクルスを愛でたいから導入するのであれば沈下性タブレットを一欠片入れておくことをおすすめします。
コケや隠れ家がある水槽内でオス1:メス2の比率で水槽に入れておくと繁殖が起こりやすいと言われますが、実際の飼育化での繁殖は難しいです。水換えを大きく行い水質に変化などをつけるとトリガーとなって繁殖行動をしてくれる場合があります。稚魚は生まれてから1週間ほどはヨーサックと言って自前の栄養素がありますが、ヨーサックがなくなると餓死してしまいます。ブラインシュリンプなどを与えるようにしましょう。
オトシンクルスの死因としては
以上のことが挙げられます。特に水槽に迎えてすぐ死んでしまう場合は、導入時から弱っているが当てはまる事が多く、餓死というのは逆に死因としては遠いものになります。
オトシンクルスは這うように泳ぎ回るため、稀にヒーターの裏や石組の間に入ったまま出れずに死んでしまうことがあります。通り抜けできるスペースを確保するか、そもそも侵入させないようにするレイアウトが必要です。
オトシンクルスは比較的温和でサイズも小さいためエビとの混泳に向いています。稚エビやチェリーシュリンプであっても干渉しないでしょう。本当に平和的な熱帯魚と言えます。エビの抜け殻を餌として食べるシーンもしばし見ることができます。
オトシンクルスとサイアミーズフライングフォックスは、両者とも頭から尻尾の先まで黒いラインが入っている姿が酷似しています。オトシンクルスの泳ぐ姿を横から見るとサイアミっぽいと思う人も多いのではないでしょうか。
オトシンクルスは干渉しませんが、サイアミーズフライングフォックスの方が気になる傾向が強く追いかけ回すことが多々見受けられます。追いかけ回された挙句弱って死んでしまうなんてこともあるので混泳は注意。
縄張り意識の強いシクリット系にどつかれて殺されてしまうこともあります。オトシンクルスはどこへでも泳いでいくのでフラフラと縄張りに侵入してボコボコにされてしまうこともあります。混泳は向かないと思った方が良いです。
オトシンクルスはアクアショップとネットショップを平均すると、1匹150円〜300円の幅で売られています。
アクアショップでは安売りされていることも多く1匹あたり100円前後で入手することも可能です。コケ取り性能としては入れておいて損はないといった具合なので、混泳のバランスなど考えて入れるようにするのがベストでしょう。