パールグラスの植え方と育て方や8種類のレイアウト作品を紹介
パールグラスは成長すると背丈が伸びることから水槽の後景に植えるのにおすすめな水草です。
パールグラスは水質が合えばco2がなくてもスクスク育つことから、水草水槽を始めて間もない初心者でも育てやすい傾向にあります。しかし、丈夫な水草の部類であるパールグラスですが、水質が合わないと全く育たないケースもあります。
水質が成長を左右させることは水草全般に言えることですが、水質以外に少なくともパールグラスが育つ平均的な光量やco2量、トリミングの仕方やタイミングを知っておけば、パールグラスが枯れてしまったときや黄色くなってしまったときに対処することができます。
この記事ではパールグラスの育成に必要な環境の情報やパールグラスの植え方や増やし方といった水槽レイアウトを作ることに欠かせない情報をまとめています。また、パールグラスを使った水槽作品も掲載しているので是非参考にご覧ください。
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パールグラスってどんな水草?
パールグラスの情報 | |
---|---|
分類 | ゴマノハグサ科 ヘミアントゥス属 |
学名 | Hemianthus micranthemoides |
類似水草 | グリーンロタラ |
別名 | – |
葉の大きさ | 葉幅1~2mm 葉の大きさ2cm |
育成難易度 | |
成長速度 | 非常に早い |
レイアウト配置 | 中景〜後景 |
温度 | 22〜26度 |
水質 | 4.5〜7.8 |
よく育つ硬度 dH・mg/L | 1-3 17.8mg〜53.4mg |
co2 | なくても育つ |
co2添加時 | 60cm)1秒1滴 45cm)2秒1滴 30cm)2秒1滴 |
光量/照明 | 高い方が綺麗に育つ |
増やし方 | 枝分かれ ピンチカット 差し戻し |
参考価格 | Yahoo! 組織培養980円〜 |
Amazon 1本あたり64円〜 | |
楽天市場 1ポット 800円〜 |
生命力の高い水草
パールグラスは水草の中でも超タフネスな水草と感じます。パールグラスは一定期間育てると種をばら撒き始めます。水面に浮いていたり、水槽の端っこに赤い粒が付着しているのを見ることができます。それらの種がソイルの中に混入した状態で新たな水槽を立ち上げると植えた覚えがないのに勝手に生えてくるなんてこともあります。
パールグラスは中景や後景として
パールグラスはトリミングに強く、カットによる高さの調整もしやすいのでレイアウト自由度が非常に高い水草です。根元からしっかりボリュームがとれるため、中景~後景に幅広く用いることができます。グリーンロタラと比べて葉1枚ごとの長さが短いのが特徴。パールグラスの方がより軟質で繊細なイメージを演出することができます。
硬度の高い地域でも育てられる
パールグラスは硬度の高い水質を好む水草です。
しかし、好むだけであって一度成長が活発になれば硬度が低い水槽でも適応してくれます。硬度が高い水質に寄せすぎると髭苔やサンゴ苔の発生も誘発してしまうので注意が必要です。
パールグラスの種類(似た名前たち)
似ている名前としてニューラージパールグラスやキューバパールグラスが存在します。これらは横に這って伸びていく水草なので基本的に前景としてしか使えません。また、葉の大きさや形も全く異なります。
グリーンロタラとパールグラスはどちらが良い?
レイアウトによって用途が変わってくるため、どちらがオススメとは言いきれないですが、育てやすさから言うとグリーンロタラの方が成長が早く簡単です。
- 丸みを帯びた形を作りたい。
- 柔らかいイメージを持たせたい。
となるとパールグラスの方が成長した時の密集度が高く、造形しやすいです。グリーンロタラは葉と葉の隙間が生まれやすく群生してもどこか根本が見えたり緑色を単色で見せることに欠けている傾向にあります。より単純なレイアウトを作る場合はパールグラスが手っ取り早く簡単です。
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パールグラスの植え方と必要な量
パールグラスを植える長さを整える
パールグラスを植える時に最低でも必要な長さは5cm〜7cm程度は欲しいです。長いパールグラスは半分に切って植えることで量を増やすことができます。差し戻しで増やすときも5cm〜7cm程の余裕があった方が失敗しにくいです。
パールグラスを1区画に植える本数は3本〜5本で十分です。組織培養で販売されているパールグラスの本数は意外と多いため、水槽のサイズや植えたい配置によっては約60Lの水槽(60cm水槽)でも全て使い切れないケースもあります。
パールグラスは増える速度が早いので、後から差し戻しできる水草です。足りないかも?と思って買い増しすると結局使わずに捨ててしまうといったことにもなりかねませんのでご注意ください。
パールグラスを植える間隔を決める
パールグラスが密集した水槽を見ると敷き詰めたように植えなければいけないのかと思うかもしれません。しかし実際に植える時はかなり間隔をあけて問題ありません。
指3本分離れていても成長すると間隔は埋まります。また、物足りないと感じたら伸びたパールグラスをカットして差し戻せば隙間を埋めることができます。
パールグラスを深く植える
パールグラスを植えるときは抜けないように深く植え込むことが重要です。敷いているソイルの厚さが5cm前後ならピンセットが底に当たるくらい差し込んでも問題ありません。
差し込んで引く抜くときに1cm~2cmほど上に戻ってくるので全てが埋まってしまうことはないです。浅く植えてしまうとエビに抜かれてしまったり、気泡をつけたときに浮力で抜けてしまうことがあります。
パールグラスの育て方(光量・co2量・トリミング)
パールグラスを綺麗に育てるには
- 光量
- co2
- 硬度
- 適度な水換え
- 追肥
パールグラスを綺麗に育てるポイントは上記の5つ。上から3つは特に意識する必要があります。パールグラスの成長スイッチが入ったときは光量やCO2の有無、硬度の数値に関係なく、活発に増殖と成長を起こします。なんなら根っこだけ残っている状態から生い茂る状態まで復活することがあります。
以上のようにパールグラスの持つ生命力は高いですが、水槽の立ち上げ初期段階は硬度が足りずに成長どころか、葉がか細くなり、溶けて無くなってしまうことがあるので油断なりません。「高い光量を浴びせている」、「co2を添加している」のにも関わらずパールグラスが育たないときは硬度が低すぎではないか気をつけてみる必要があります。
パールグラスの育つ硬度とTDS
パールグラスの育つ硬度(dH)は1〜3以内であれば育つことを確認しています。育ちが悪いときは硬度を上げるために近くに龍王石などを添えてみても良いかもしれません。
また、TDSメーターを使って水槽内のTDS値を確認するのも1つの手段です。パールグラスはTDS値が80以上で育つことを確認しています。おおよそ100前後を保てればほかの水草とのバランスをとりながら育てられるでしょう。
硬度を上げすぎると髭苔やサンゴ苔といった固くて除去しづらい苔(藻)が発生してしまいます。また、他の水草に成長を阻害する可能性があるので加減は調整しましょう。
パールグラスに必要な光量
水槽規格 | まぁまぁ育つ | 十分育つ |
---|---|---|
30cm | 300~500lm | 588~1,176lm |
45cm | 750~1,000lm | 1,500~2,000lm |
60cm | 1,000~2,000lm | 2,550~3,000lm |
主な基準参考商品:リーフグロー、suisaku300~、KOTOBUKIツイン、GEXパワーⅢ、アクロtriangle
パールグラスは生命力が非常に強い水草なので低い光量でも綺麗に育つことがあります。暗い閉鎖されたストック容器の中でも成長を続け管理できるほど。ただし、レイアウトコンテストに出すような作品には高い光量で育てた方が成長コントロールもでき、美しい見た目も維持しやすいです。
おすすめのLEDライト
品質 | ライト名 | 規格別 詳細 | |||
---|---|---|---|---|---|
水作ライトアップ | |||||
ルーメン | 588〜936lm | ||||
GEXクリアLEDパワーⅢ | |||||
ルーメン | 500~1000lm | ||||
アクロ TRIANGLE LED GROW | |||||
ルーメン | 1000~3000lm | ||||
Chihiros wrgb2 | |||||
ルーメン | 2300~4500lm |
パールグラスはco2があった方が綺麗に育つ
パールグラスは二酸化炭素が無くても高い光量があれば育ちます。しかし、生い茂るまでには時間はかかります。
植えた直後からスムーズに成長させるにはco2は欠かせません。co2を添加することで光合成が活発になり、水槽内の浄化が進むだけでなく、多くの気泡を出してくれるので良い環境の維持や景観を綺麗に保てる意味でも必要です。
co2なしとco2ありを比較
上記がCO2ありとCO2なしで育てた場合の比較画像です。
パールグラスはCO2なしの方が葉の数、色味が悪い印象です。またco2なしで育てた場合は、今にも溶けてしまいそうですが、かろうじて茎は伸びて葉っぱも増えます。CO2ありの場合は色が濃く茎が見えないほど茂っているのが分かります。
以上の結果を見て分かる通り、co2ありの方が圧倒的に綺麗に育つのでco2添加はおこなったほうが良いです。
適度な水換えは必須
パールグラスは密度が高くなりがちな水草のため、アオミドロ(糸状コケ)や藍藻が発生すると手に負えなくなります。週1〜2回の換水は忘れないようにしましょう。ソイルから主に栄養を吸収するため、換水しすぎても問題はありません。水換えを行うと気泡をよく出すので美しい姿を見ることができます。
パールグラスの増やし方
ピンチカット(トリミング)
ピンチカットはトリミングを意味します。
パールグラスを含む有茎草は切った部分から枝分かれのように増えていきます。その性質を利用してカットして増やすことをピンチカットと呼びます。
差し戻し
トリミングした部位(本来なら破棄する草)をそのままソイルに植えることを差し戻しと言います。茎だけで枯れないの?と思うかもしれませんが、指した部分から根が出てくるので、ほとんどの有茎草は差し戻しで増やすことができます。差し戻しは水草のボリュームを増やすだけでなく、生えている領域を増やす目的で行われます。
放っておく
パールグラスは放っておくと種を放出します。種の多くは一度水面に浮遊して水槽の四隅にとどまりますが、一部の種はソイルなどの低床に混ざり込み、発芽します。パールグラスを植えていたソイルを再利用するとパールグラスを植えていないのにパールグラスが出現したということも起きます。
パールグラスが枯れる育たない原因
立ち上げ初期は硬度があるかどうかを疑い、トリミングを何回も繰り返した環境では栄養不足を疑うべきです。パールグラスは成長速度が速いので栄養も多く消費します。2〜3ヶ月ペースに固形肥料を根元にグサッと植え込むだけでもだいぶ変わります。また、CO2もしっかり添加してあげることで状況を改善することが望めます。
パールグラスを使ったレイアウト作品
30cm水槽レイアウト
パールグラスを後景に用いたシンプルなレイアウト。
パールグラスを後景に散らばせたレイアウト。ボリュームを出さない見せ方も茂みを演出できる。
45cm水槽レイアウト
左右にパールグラスを植栽しボリュームを持たせることで造形しやすくしている。(マヤカだけだとどうしてもスカスカに見えてしまうため)
後景全体にパールグラスを用いたレイアウト。定期的に高さ調整することでバックライトが良い感じに映える。
60cm水槽レイアウト
左にパールグラスの群生、右はロタラと合わせて群生させているレイアウト。造形がしやすく凹構図が作りやすい。
こちらも凹構図を意識した形。上記の写真は剪定済みなのでボリュームがないが、ボリュームが出てからトリミング次第で綺麗に見せることもできるのがパールグラスの強み。
パールグラスのボリュームが出てからトリミングによって造形しているレイアウト。ニューラージパールグラスで再現できないモコモコ具合をパールグラスで体現。
パールグラスのボリュームによって凹構図を実現しているレイアウト。
パールグラスの販売相場
ネットの価格は1500円前後(送料込)
ネットでの価格では送料別で800円〜1,000円ほど、送料合わせると1500円前後になってきます。パールグラスは大体、どこのアクアショップでも売られているのでネットショップを使うのはあまりオススメしません。アクアショップなら650円から培養カップでの販売がされている場合があります。
フリマアプリ価格は10本100程度(送料込)
フリマアプリでは10本あたり100円程度の相場で取引されています。基本的にどの出品者も送料込みで行っているのでかなりお得です。ただし、スネールやコケの混入は可能性として高く、水槽に入れたら「かえって維持が大変」というリスクもあります。
培養カップがオススメ
パールグラスの培養カップは有名かつ人気な水草ですので、アクアショップやホームセンターで間違いなく売られています。そのため、1個あたり650円〜1000円で購入できます。
培養カップはスネールやコケの混入がないため、自身の管理さえしっかりすれば綺麗な水槽に仕上げることができます。45cmの水槽までなら1カップでカバーできますが、60cm以上になると1カップじゃ足りない可能性があります。
パールグラスの育て方でよくある質問
- パールグラスの育成難易度は?
-
パールグラスは高めの光量とco2を添加していればスクスク育つことが多いです。パールグラスは生命力が強く、種を放出しやすいので、パールグラスが一回枯れてしまったとしても、条件を満たせば復活することがあります。
- パールグラスのトリミング方法は?
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パールグラスは茎と葉の間隔が短いため、どこから切っても丸みを造形やすい特徴があります。パールグラスの密度が少なければ、切ったパールグラスをソイルに埋め直すことで数を増やすことができます。