


小型熱帯魚の中では特に赤みが目立つ身体と、身体の中心に入る黒い丸い模様が印象的なカラシンの仲間です。成長したオスは背ビレが伸び存在感が更に増します。採集地域によって違いがあり、特に赤の発色の強い固体は「レッドファントムルブラ」と呼ばれ、値段も上がります。この記事ではレッドファントムの育て方やルブラとブリードの違いについて解説していきます。
レッドファントムテトラの情報 | |
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分類 | カラシン目 カラシン科 |
学名 | Hyphessobrycon sweglesi |
生息地 | コロンビア、ベネズエラ |
別名 | – |
大きさ | 4〜5cm |
寿命 | 3~5年 |
育成難易度 | |
温度 | 20〜26度 |
水質 | 4.5〜7.5 |
硬度 | 1〜13 |
繁殖 | 産卵型 |
参考価格 | 150円〜 |
カラシン科で有名なネオンテトラやカージナルテトラと同じように餌は割となんでも食べるので餌管理も楽ちん。水質もうるさくないので初心者でも飼いやすい熱帯魚です。
レッドファントムテトラの飼育は20度からと言われていますが、20度だと温度が低いために茂みに隠れて出てきません。人間で例えると寒い状態であるので、調子を崩すことにつながることも。23度以上をキープするのが健やかに育つポイントです。冬場はヒーターなしだと地域によっては10度前後になる場合があるので設備はしっかり整えましょう。
ショップに並ぶレッドファントムテトラはブリード(飼育繁殖)であることが多いです。成熟前は身体が白っぽく赤みもあまりないオレンジ色。「全然レッドファントムじゃない!」と思うかもしれませんが、飼い込むほど赤みが増して行きます。1年ほども経てば赤みは増していきより赤に近づいていきます。
最初は1.5〜3cm程度と小柄で可愛らしいですが、成長すると5cmほどになるので背びれの大きさ含めて大きく感じます。小型水槽に入れすぎると過密気味になるので要注意です。ただ、性格は温厚で他の魚を追い回したりということをほとんどしません。時々同種での小競り合い(お互いに鰭の大きさを見せ合う)程度が起きるくらいです。
ブリードとルブラの比較 | |
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価格 | |
1匹あたり100~200円 | 1匹あたり200~450円 |
赤くなるまでの時間 | |
非常に長い | 導入時から赤い |
繁殖のしやすさ | |
比較的しやすい | 事例が少ない |
冒頭にも記載したようにレッドファントムテトラとレッドファントムルブラは赤の発色に違いがあります。(飼育状況ではレッドファントムテトラでも十分に赤くなります。)
レッドファントムテトラも1〜2年単位で飼い込むとルブラに遜色ない赤色を発揮します(RGBライトなども使って)が、ルブラの方は幼体を導入してから間もなく赤くなっていきます。それぞれ寿命は3〜5年程度なので早い段階から真っ赤な姿を見たいのであればルブラの方が良いかもしれません。
レッドファントムテトラは1匹あたり100〜200円位に対し、レッドファントムルブラは1匹あたり300〜450円くらいします。(アクアショップでの現地買いではもう少し安い場合があります)倍以上の値段する背景には「赤くなる確実性」「野生か飼育繁殖か」の差でしょう。
上記のどれか当てはまっていたら見直してみる価値アリです。白照明が強すぎると生体の色が飛んでしまいます。(隠れ家があると解消されることも)
また、同じ強いライトでもRGBライトだと話は違ってきます。RGBライトを使用するとより赤みが強調され、真紅のように赤く見えるようにすることも可能です。
床底を砂利にするのも問題はありませんが、ソイルにすることで赤みを増す場合もあります。そもそも小型熱帯魚はソイルを好む性質があるので、身体が透明のように見える、白っぽい場合は検討の余地ありです。
餌をあまり与えないことで色味を揚げるという方法を謳う人もいますが、栄養価のある餌を与え、きちんと育てる方が体色が綺麗になる確率はうんと高いです。動植物に広く含まれている赤い色素であるカロチノイドが含まれた餌をあげるのが手っ取り早いです。
レッドファントムテトラを購入した場合、ショップからの持ち帰りでも通販でも、まずは水合わせが必要です。水合わせとは飼育環境とショップなどでの管理環境における水質をできるだけ合わせることを指します。
上記は水合わせの簡易的な一例になります。PHをより正確に慎重に合わせストレスを軽減させたい場合は点滴法とってエアチューブを使って飼育水槽から購入した袋へ一滴ずつ水を送り込んで調和せる方法がおすすめです。
PH4.5〜7.5のレンジであれば問題なく育てることが可能です。ソイルを使っている水草水槽なら普通にしていてもPHは7以下になることがほとんどなので注意することもないでしょう。一部地域によってはPH7以上になることがあるので、PH降下剤やフウの実やヤシャブシの実、マジックリーフなどを使用すると良いでしょう。
レッドファントムテトラはなんでも食べます。先述したようにカロチノイドを多く含む餌を中心に与えることで発色の良い個体に仕上がります。
レッドファントムテトラは導入時などに白点病になっていることが多いです。したがって水槽に入れる前によく観察し、白い点がついていないか確認しましょう。後から発症することもあるので新入りのレッドファントムはアグテンなどでトリートメントすることをおすすめします。